
山納 洋
作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
カテゴリー |
媒体(Vol.) |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|
|
2026年09月01日 |
山納 洋
|
都市・コミュニティ |
まちづくり |
情報誌CEL (Vol.139) |
ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。
安心して過ごせる居場所、共通の関心を持つ人々が集まる場、偶発的な出会いや対話を生む場など、"場づくり"は現在、福祉や医療、まちづくり、文化芸術などさまざまな分野で重要性が認識され、実践が広がっている。
そうした場は人々が協働して地域の課題に取り組むための拠点ともなり得る。このことを、住民自治が盛んなふたつの地域の事例から考えたい。
住宅の再整備から生まれた「新たな場」
京都市南区・JR西大路駅の東約100mの場所にある京都市八条市営住宅団地。1960年代に整備されてから約50年が経過して建物の老朽化が進んでいたこの団地は、京都市により7棟全棟の建て替えを行う団地再生事業が進められた。この事業では、民間事業者が自らの資金とノウハウを用いる、PFI手法のひとつの「BOT(Build Operate Transfer)方式」が採用され、事業者は10年間所有権と維持管理権を持って運営した後、最終的に所有権を市に無償で譲渡することになっている。京都市は事業者に対して住棟の整備と維持管理とともに公園の整備、周辺道路の拡幅、付帯事業用地の活用等についても提案を求め、落札者として選ばれた長谷工コーポレーションを主とする事業体は、広場や公園を介して市営住宅と分譲マンションを一体的に配置したプランを提案した。事業者決定は2018年。新市営住宅は20年に、分譲マンションは23年に完成している。
敷地南側に新たに整備された唐橋平垣公園の一角には、分譲マンションの集会所を活用したカフェ「and happiness.(アンドハピネス)」がある。オープンは2023年。まちライブラリーが併設され、週に3回子ども食堂が開催されている。
カフェの運営に当たっているのは、親子にとっての居場所づくりに取り組む認定NPO法人「happiness」。理事長の宇野明香さんは、2016年に近くにある唐橋小学校の敷地内にある文化教育会館で子ども食堂を始め、18年に活動の拠点としてカフェをオープンし、19年にNPO法人を設立。現在はカフェとまちライブラリーの運営のほか、子ども食堂の開催、多世代の交流と若者の就労支援、少女支援のための自立援助ホーム・シェアハウス運営を行っている。
情報誌CEL