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情報誌CEL

池永 寛明

2026年03月02日

CELの歩み③ 再起動期〔2016 〜 2019〕 設立30年の節目に問うた研究所の存在意義 ――現在を読み解き、文化を編み直し、未来を構想する

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媒体(Vol.)

備考

2026年03月02日

池永 寛明

住まい・生活
都市・コミュニティ
エネルギー・環境

ライフスタイル
まちづくり
地球環境

情報誌CEL (Vol.138)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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エネルギー・文化研究所(CEL)が30周年をむかえた2016年、所長に就任した池永寛明氏。「ルネッセ(再起動)」をテーマに掲げ、研究所の新たな役割やあり方を探りながらCEL自体の再起動に取り組む一方、『CEL』誌では2年間・計6号にわたる連続特集企画「ルネッセ」をスタートさせた。池永氏が率いた変革の3年間を振り返る。


1986年4月1日に設立されたエネルギー・文化研究所(CEL)は、草創期には倉光弘己氏、山藤泰氏、古館晋氏らが基盤を築き、中興期には5名の所長が存続の意義を示されています。そしてちょうど設立30周年をむかえる2016年4月、私が所長に就任しました。

長い研究所の歴史を振り返ると、私の就任はやや異例の出来事でした。社内で研究分野を歩んできたわけでもなければ、アカデミックな世界に身を置いてきたわけでもない。むしろ、営業の現場を出発点に、国のエネルギー政策、自治体の都市計画やエネルギー・環境政策など、実務の最前線を歩いてきた"現場型"の人間で、歴代の知性派の所長たちとは毛色が異なっていました。正直なところ戸惑いがありましたが、当時の社長からは「お前の好きなようにやれ」と言われたことを覚えています。


国家・企業・都市、その三層をまたぐ経験が教えてくれたこと


私がCELの再起動を目指した背景のひとつに、2011年の東日本大震災があります。震災前、私は日本ガス協会[*1]で企画部長として国のエネルギー政策を担当していました。2000年前後には地球温暖化やCO₂削減が強く意識されはじめ、温室効果ガス排出の少ない再生可能エネルギーや原子力を活用した「電気の時代」が来ると語られていました。「ガス業界は終わった」と言われるほどの危機感があるなかで、私は都市ガス事業の将来像を提示する中長期計画をつくる立場にありました。まさにその発表を控えた日の午後、震災が起こり、福島の原発事故によって世界のエネルギー政策が転換を迫られたのです。


[*1] 全国193の都市ガス事業者が加盟する業界団体(2025年4月時点)。