
弘本 由香里
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2026年03月02日 |
弘本 由香里
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都市・コミュニティ |
コミュニティ・デザイン |
情報誌CEL (Vol.138) |
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歴史都市・大阪の背骨に当たる上町台地をフィールドに、2013年秋から2024年春にかけて、約10年にわたり20号を編集・発行した『上町台地 今昔タイムズ』。過去との対話を通し、現在を見つめ直し、未来へつなぐ歴史実践として、改めて共有したい観点を取り上げてレビューする。
はじめに ― 四天王寺門前の物語から ―
前回、本連載第3回では「四天王寺から紐解く、遍く救済・再生の物語」をテーマに、『上町台地 今昔タイムズ』(以下、今昔タイムズ[*1])Vol. 18と、『上町台地 今昔フォーラムVol. 18 Document』[*2]にフォーカス。受難と再生の物語の舞台として、数々の戦火や災害に見舞われながらもその都度よみがえり、時代とともに変化しながら人々の心とともにあり続けた、救済・包摂の場、アジールとしての四天王寺の姿を見つめた。
とりわけ、中世の民衆の語り芸能・説経節の代表作のいくつかに描かれた、四天王寺門前で繰り広げられる哀話と救いの物語。苦しみの境涯から光の指す方向へ人生が転換する、象徴的な場面に注目した。その一つ「しんとく丸」[*3]は、河内国の「高安長者伝説」をもとにつくられたものだが、同じ伝説に依り室町時代に生まれた能の演目に「弱法師(よろぼし)」がある。
[*1]『上町台地 今昔タイムズ』のバックナンバーは、大阪ガスネットワーク(株)エネルギー・文化研究所のホームページで公開している。なお、Vol. 19の参考文献は同紙の1面下に記載。https://www.og-cel.jp/project/ucoro/event2_kon.html
[*2]『上町台地 今昔フォーラム Document』のバックナンバーは、今昔タイムズと同じホームページで公開している。
[*3]説経「しんとく丸」では、高安長者の子・しんとく丸が継母の呪いによって宿病に侵され、絶望の淵に陥るが、四天王寺を重要な舞台に、許嫁の乙姫の献身的な愛と観音の霊力に救われ、最後は父とともに河内国高安に帰ることができる。
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