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情報誌CEL

仲正 昌樹

2012年11月01日

本の万華鏡 「ICTのエネルギーが社会をつなぐ」を紐解くヒント

作成年月日

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研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2012年11月01日

仲正 昌樹

住まい・生活
都市・コミュニティ

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.102)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 近年、インターネット上での映像・音楽作品、オンライン・ゲームなどの「知的財産権」の問題が注目を集めている。ネット上で利用できる様々な―商業的価値のある―情報を、無断で「コピー」することは、違法と見なされ、それを禁止する法律が整備され、違法行為を技術的に不可能にする各種のアーキテクチャも開発されつつある。
 アメリカのICT関連法の第一人者であるレッシグは、そうした「知的財産権」概念の無制約的な拡大傾向に警鐘を鳴らす。私たちの全ては、自分が属する文化の中で、様々な人の知的・芸術的活動を模倣しながら、自分の創造性を培ってきた。私たちの大衆文化は「コピー」を通じて形成されてきたし、プロのアーティストやクリエイターも「コピー」の恩恵を受けてきたはずである。
 ICTは、各人が様々な作品を「コピー」し、それらに変形を加え、モンタージュすることで、独自の創造性を開花させることのできる可能性を飛躍的に増大させた。不特定多数の人が共同で開発し、みんなで自由に使える「コモンズ」も増えている。しかし、アメリカのコンテンツ産業の中には、絶えずネットを監視し、無名の一市民の日常を記録した映像、あるいは小さなアマチュア芸術グループのパフォーマンスの一部に、自社が著作権を持つ作品がほんの一瞬でも登場すれば、すぐに法的手続きを取ろうとするところがある。それを、商売にしている人たちもいる。そうしたケースが次第に増加していき、アメリカの法文化に定着すれば、「コピー」を組み合わせることで新しいものを生み出す、「リミックス文化」が衰退し、コンテンツ産業自体の首を絞めることにもなりかねない。
 レッシグは、レコード、映画、ラジオ、TV、ケーブルTV、インターネット…というICTの発展史の中での「コピー」の問題の変遷を振り返ったうえで、商業経済と共有経済が相互にプラスの影響を与え合う「ハイブリッド経済」を促進すべきだと主張する。そのために、権利の所在・管理は明確にしたうえで、一定の明示的なルールの下で誰でも自由に「コピー」できるようにすること、ファイル共有を合法化することなど、著作権法の専門家らしからぬラディカルな提案をしている。
 「資本主義vs.社会主義」あるいは「自由主義vs.共同体主義」というありがちの二項対立図式を離れて、ICTと文化的創造、経済の三者関係について考えるための新たな視座を与えてくれる、非常に刺激的な著作である。

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