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情報誌CEL

千田 有紀

2010年07月01日

これからの日本の結婚・家族

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2010年07月01日

千田 有紀

住まい・生活

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情報誌CEL (Vol.93)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-婚活時代-
 近頃、「婚活」がブームである。就職活動のように、結婚も何らかの活動が必要だと考えられる時代が来たのだ。それと同時に、以前は少しの憧れと侮蔑を持って語られた「独身貴族」という言葉がもはや死語になってしまった。従来独身であることは、いずれ行うであろう結婚の前にある束の間の「自由」を意味していた。しかし今は、その結婚自体が全員には訪れないことが明らかとなっている。今日、男性の生涯未婚率は2割近くに達している。もちろん、結婚を「する・しない」は個人の自由である。ただ「結婚はそう簡単にはできるものではない」という認識が共有されるようになったことは、確かである。
 そもそも皆が結婚する社会自体が、歴史的に見れば特異なことだ。江戸時代では、農家の二・三男などの結婚しない人口は、一定の割合で存在していた。しかし明治時代に入ってからは、結婚は皆に等しく訪れるライフ・イベントとなった。皆が結婚する社会のなかで、結婚しないで生きていくことには、かなりの困難と覚悟を伴った。実際、パートナーが見つかりそうになければ、たいてい周囲に世話好きの見合いの世話をしてくれる人が存在し、皆が結婚に囲いこまれていった。1960年代までは、見合い結婚のほうが、恋愛結婚よりも多い。
80年代になると、少子化の原因として晩婚化が指摘されていた。しかし90年代に入ってから、進行中の事態は晩婚化などではなく、未婚化によって少子化が引き起こされていることが判明した。皆が結婚する時代の終焉が、明らかになったのである。

-「近代家族」とは-
 皆が結婚する社会では、女性にとって結婚は永久就職であると言われていた。夫が稼いで一家の大黒柱となり、女性は家事や育児を担い、「食べさせて」もらう。これが標準的な女性の生き方、ライフコースであった。
 このような主婦が誕生したのは大正時代のことである。日本でホワイトカラーである、いわゆる「サラリーマン」が誕生し、家族を養うだけの家族賃金が支払われるようになったことに、「主婦」の誕生は呼応している。サラリーマンが誕生した際に、その対の存在として主婦が誕生したのだ。大正時代には中産階級に限られていた近代家族だが、第2次世界大戦後に農業人口が激減し産業構造が転換して、アメリカのドラマ、『パパは何でも知っている』『うちのママは世界一』などのドラマに見られる家族が憧れとなり、近代家族は量的にも増加していったのである。

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