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学会論文

弘本 由香里

2008年03月01日

まちづくりにおける持続可能な学びのあり方に関する一考察

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備考

2008年03月01日

弘本 由香里

都市・コミュニティ

まちづくり

学会論文

立命館大学政策科学会『政策科学15巻3号』通巻38号

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

「あなたにとっての原風景は?」。筆者は、1998年度から2006年度までの9年間にわたって、立命館大学政策科学部で「地域文化政策/地域文化」の講義を担当した際、毎年受講生へのアンケートで問いかけてみた。

返ってきた答えの大半が、大都市近郊に拓かれた職住分離のベッドタウンの風景や、地方都市の郊外風景と思われるものであった。20歳前後の彼らの心象風景の中に、職住遊が近接した都市的な暮らしぶりを感じさせるものは、ほとんど現れてこなかった。

乱暴な言い方になるが、戦後、とりわけ高度経済成長期以降、都市はもっぱら経済活動を主軸に開発され、生活文化の舞台としての都市の成熟は後回しにされてきた。その結果、多くの日本人の心象風景の中から、かつて存在した都市に住み・暮らす文化や、その記憶は消し去られてしまったのではないだろうか。学生たちの反応は、そのことを如実に物語っているように思えてならなかった。

また、日本の都市は、経済の拡大とともに、スプロール的に周辺地域を開発しながら拡大してきた。そのため、物理的にも文化的にも、都市や地域の明快な輪郭が曖昧に拡散し、個性のない空間が広がり続けることになった。そうした、都市の拡大が、今、環境負荷の低減や少子高齢社会における都市経営、低成長経済と財政緊縮、あるいは地域文化の活性化といった観点から、見直しを迫られている。現在政府の主要政策に掲げられている都市再生も、そのひとつであろう。しかし、真に市民の豊かな暮らしの舞台としての都市再生を導くには、忘れ去られてきた都市居住の記憶を回復し、かつて展開されていた都市に住み・暮らす文化とは、どのようなシステムによって成立していたのかを検証する必要があるだろう。いったん断絶した歴史の糸・記憶の糸をつなぎなおし、先達の知恵に学びつつ、これからの都市居住文化を創造していく新たなシステムを構築すること。そのプロセスは、都市や地域における文化の連続性を回復するという意味にとどまらず、知恵の発展的継承によって新たな知恵を生み出す基盤となっていくという意味を持つ。都市や地域の持続的な発展のためには、記憶・知恵の継承を入り口に、日常の暮らしに根ざした学びのシステムが不可欠なのではないか、という問いが浮かびあがってくるのである。

 

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