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情報誌CEL

宮城県石巻市田代島

2012年01月05日

「猫」と「牡蠣」を復興再生の柱に−「にゃんこ・ザ・プロジェクト」

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媒体(Vol.)

備考

2012年01月05日

宮城県石巻市田代島

住まい・生活
都市・コミュニティ

消費生活
ライフスタイル
地域活性化

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

-震災で被害を受けた「猫島」を救え!全国からの支援で島の復興と世代継承に道筋-

 宮城県石巻市の沖合に浮かぶ田代島は、過疎化と高齢化の進む小さな離島だ。5年ほど前からメディアで「猫の島」と紹介されたことで来訪者が増え始め、観光の新たな目玉にしようと画策中だった。そんな矢先に起こった東日本大震災。6年前に脱サラして田代島に移住し、漁師となった中小路昇さんが被害状況を説明する。
 「漁具の大半や沿岸の牡蠣棚は津波で全て流され、漁船の4割が海の藻屑に。港の業務用冷蔵庫や冷凍庫も全壊しました」
 とりわけ費用のかかる牡蠣養殖の再開は絶望的だった。被災前から養殖の後継者となるためベテラン漁師について修行中だった中小路さんの落胆は大きかった。
 「もう廃業しかない、とあきらめかけていました」
 そんな折、被害を受けた三陸地方の牡蠣養殖を支援するプロジェクトがあるのを知った。オーナーを募り、集まった資金を復興に充てる趣旨だ。中小路さんはじめ島の漁師や民宿経営者ら、若手を中心とした有志が集まって参加を検討した。
 「話し合った結果、田代島は牡蠣だけじゃなくて、猫も特有の資源なので、これらを生かした復興を独自に始めることにしたのです」
 こうして2011年6月、「にゃんこ・ザ・プロジェクト」が立ち上がった。支援基金として一口1万円のオーナーを募り、4〜5年後に牡蠣が成長したあかつきには口数に応じて直送する。合わせて専用のウェブサイトを開設し出資者に携帯ストラップなどの猫グッズも送っているという。基金の目標額は、島と牡蠣の復興、観光の目玉である猫の環境改善を見積もって1万5千口とした。
 あの『猫島』が大変だ−雑誌やネットで紹介されたことで、島民と猫を気遣うメッセージとともに、猫への支援物資や医薬品が全国から寄せられた。愛猫家による支援イベントの後押しもあって、当初は目標に達するまで3年を予想していたが、結果はわずか3ヵ月で達成。関係者の誰もが感激するなか、中小路さんは島の復興の担い手としての責任を痛感したという。
 「あまりに早く目標金額に達してかえって混乱することもありましたが、これから外部の監査役を入れ
て支援金の会計報告を行い、島民と話し合って1円たりとも無駄にせず使わせていただきます」
 30数台あった牡蠣の養殖棚はようやく4台が復旧したばかり。牡蠣が出荷できるまであと4〜5年はかかるという。島内の本格的な整備もまだこれから。公衆トイレも使用できない現状だ。