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情報誌CEL

関 満博

2012年01月05日

津波被災を乗り越えて再開する「道の駅」

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2012年01月05日

関 満博

住まい・生活

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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 東日本大震災で道の駅が大きく注目された。宮城県石巻市の「道の駅上品の郷」や岩手県山田町の「道の駅やまだ」、宮古市田老の「道の駅たろう」など、高台にあり津波被災を免れた道の駅は、地元の生鮮野菜の供給、さらに、支援に向かう自衛隊、ボランティアの休憩、情報交換の場として興味深い役割を演じた。
 この道の駅、日本発の事業であり、一般道にはトイレも休む場もないという事情から提案されたものである。2011年10月現在、全国に977カ所が設置されている。
 今回の東日本大震災の津波により、岩手県宮古市の「道の駅みやこ」、陸前高田市の「道の駅高田松原」、宮城県気仙沼市の「道の駅大谷海岸」の3つの道の駅が破壊された。その中で、道の駅大谷海岸が早くも4月29日から一部再開している。
 風光明媚な海水浴場として知られる大谷海岸沿いにあるJR気仙沼線の無人駅に隣接して「道の駅大谷海岸」が設置されていた。日本一海水浴場に近い道の駅として親しまれてきた。施設の基本的な構成は、駐車場、トイレ、売店、レストラン、情報コーナー、さらに漬物等を作る加工所等からなっていた。特に、地域条件を反映して水産物が豊富であった。このあたりは半農半漁の人々が多く、米・野菜に加え、ワカメ、カキ、アイナメ、マガレイなどの海産物が豊富に出荷されていた。この「道の駅」を巨大津波が襲う。メイン施設の3階の天井まで浸水し、内装を破壊、機材を流失させた。
 このような状況に対し、地元は必死の対応を重ね、直売所の建物を修復し、農林水産物と生活用品の販売、小さな食堂を再開している。直売には米、野菜、鮮魚の他に、日用雑貨、レトルト食品が置かれていた。近くに開いている店はなく、被災した人々を支えるものとして機能していた。食堂は昼時には地元の人に加え、工事関係者で賑わっていた。
 ほとんどの被災地では、津波により市街地が流失し、現在、開いている店がない。コンビニエンスストアが一部再開しているが、被災地全体に行き届いているわけではない。
 また、三陸沿岸には小規模な集落で半農半漁により暮らしを立てている人も少なくない。そして、少しずつ漁を復活させているのだが、まだ、魚市場が機能しておらず、販売の手立てもない。そのような漁業者たちが直売所に出荷していた。さらに、地域の実情から必要な生活雑貨の調達販売、そして、飲食の提供に踏み出していた。さらに、地域情報の掲示、宅配便の受け付けまで行っていた。
 今回の震災により、道の駅、直売所の意義が大きく認識された。被災から再開した「道の駅大谷海岸」は、地域の人々、訪れる人々を深く受け入れているのであった。