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濱 惠介

2004年12月16日

遠くの誰かが不健康に

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2004年12月16日

濱 惠介

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日本健康住宅協会、KJKニュース2004冬号

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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遠くの誰かが不健康に

「健康住宅」は住み手の健康を主眼とする。しかし、自分の快適で健康的な住生活が他人や未来の世代を不健康にする可能性に気づく人は少ない。今回は異常気象と劣化ウラン弾という違う切り口から、我々の生活と無関係に見える人の健康阻害を取りあげる。

2004年は台風の当たり年だった。発生数28、日本への上陸数10といずれを取っても記録的だ。海水温が上昇し本土に近づいても台風の勢力が衰えなかったらしい。23号によって引き起こされた洪水では、兵庫県だけでも2万棟を超える住宅が浸水した。突然、住宅が不健康な事態に見舞われた訳だ。大洪水のニュースは東南アジアの国々からも入ってくる。多くの人が地球温暖化の進行を実感したに違いない。温暖化の主因である大気中の二酸化炭素濃度は、化石燃料の燃焼によって増加してきた。つまり、物質的豊かさの獲得が異常気象を引き起こしたと言える。

住まいで消費されるエネルギーは全体の2割弱に過ぎないが、消費者が自ら責任を負う分野だ。暖房、冷房、給湯、照明、動力など快適かつ便利で健康的な暮らしを支えるには、エネルギー消費の増大が伴う。人間にとってある目的に有益な行為の積み重ねが環境を狂わせ、まず一部の人々を不幸にし、ついには社会全体を狂わせる。

もうひとつの視点、イラク戦争の後遺症として問題視されている「劣化ウラン弾」について耳にされたことがあると思う。現地からの報道写真には眼をそむけたくなるような奇形や後遺症に苦しむ人々の姿が写されている。放射能が原因の健康障害であることに疑いの余地はないが、政治的な理由からか公式には認められていない。劣化ウランは、ウラン235の割合を高める「ウラン濃縮」のプロセスで残る放射性廃棄物である。濃縮ウランは原子力発電所の燃料や核兵器に使われる。ウラニウムは比重が19.07と非常に重く、「劣化ウラン弾」はこの性質を利用して戦車の分厚い鉄板をも射抜くために作られた弾丸のことである。

本来ならば適切に保管されなければならない劣化ウランを、戦争という特殊な条件の下、強力な弾丸として敵国でばら撒いた(廃棄処分した)のである。

 

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