
市川 憲平
2004年12月25日作成年月日  | 
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                   2004年12月25日  | 
                市川 憲平  | 
                 都市・コミュニティ  | 
                 まちづくり  | 
                情報誌CEL (Vol.71)  | 
                
                
                
                
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ビオトープが都市にもたらすもの
市川 憲平 Written by Naritaka Ichikawa
土の付いた野菜を汚いと感じ、虫やカエルを怖いと感じる若者が増えているそうだ。彼らにとって虫とは、ゴキブリの延長線上にあるゾッとするものなのかもしれないが、ゴキブリやカエルに咬まれたとか、刺されたという話は聞いたことがない。決して怖い生き物ではないはずだ。彼らが土の付いた野菜を汚いと感じ、カエルや虫を怖がるのは、それらをよく知らないことが最大の理由のように思える。
都会で加工食品ばかり食べて暮らしていると、ヒトを含めて動物は、植物や他の動物の『いのち』を食べなければ生きていけないという、当たり前のことが見えなくなる。それらのいのちが自然の『恵み』であることがわからなくなる。さらには、いのちや自然の重みが理解できなくなり、自然なんかなくても生きていける、などと錯覚するようになる。
以上のような錯覚や誤解は、自然と切り離されて育った都市住人の、自然体験の少なさに起因するものと思われる。狩猟採集の長い年月の中で、ヒトは自然を感じ、それを楽しむ『こころ』を発達させたが、個人のレベルにおいては、それは自然を体験する中で少しずつ発現するものだ。
情報誌CEL