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情報誌CEL

弘本 由香里

2006年09月30日

大阪・上町台地発 都心居住文化の創造へ(第9話) 当事者の一人称のつぶやきからまちの課題をとらえる試み

作成年月日

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備考

2006年09月30日

弘本 由香里

都市・コミュニティ

都市居住

情報誌CEL (Vol.78)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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はじめに

 現代における「都市のコスモロジーの共有」や「集合的記憶の形成」が、都市居住者にとっていかに困難な状況にあるか。都市生活者が自らの立ち位置を確認し、まちとの関係を取り結んでいくことが、個々の生活の質を高めていくうえでも、地域の持続可能性を実現していくためにも、いかに重要な課題であるか。前号(第八話)では、「上町台地からまちを考える会」に関連する二つの取り組み、地図ワークショップ(ウエマチMAP)と物語作成型ワークショップ(アートなまちの探検隊)の紹介をとおして、現代の民俗地理的実践ともいうべき、地域コミュニケーションデザインの可能性とその意義を問うた。

 前号でも触れたとおり、加藤政洋氏(立命館大学文学部助教授)によれば、近世大坂では、都市周縁部に配置された寺や墓地が、流動性の高い都市に生きる人びとの記憶を集積する装置として重要な役割を果たしたという。寺や墓地など、周縁や境界性を有する場を巡拝する生活文化を盛んに楽しむことによって、都市のコスモロジーが都市住民に共有され、まちのアイデンティティ、集合的記憶が形成されていたというのである。

 周縁や境界性は、物理的な意味をなすだけでなく、彼岸と此岸、生と死など、多分に心理的な意味や機能を有する装置でもある。とりわけここで意識しておきたいのは、周縁や境界がもたらしてくれる、他者の存在への気づき、自らを相対化してみることを可能にするカウンターパートの視点の獲得である。