山本 貴代
2022年03月01日作成年月日 |
執筆者名 |
研究領域 |
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2022年03月01日 |
山本 貴代 |
住まい・生活 |
ライフスタイル |
情報誌CEL (Vol.130) |
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日常はコロナの蔓延で一変。急ぎ足でやってきた少し先の未来を、欲望.行動.価値観の観点から女性の視点で解読。本音を探るアンケートから、新たな気づきを発見するコーナーです。
元気なうちに人生を終えたい
日本人の平均寿命は、女性は世界トップで87.7歳、男性は世界2位の81.6歳。30年後には、平均寿命はいやはや100歳になるとも言われています。コロナを経て、より命について意識するようになった昨今、長くなる人生を"みんなどう生きたいのか"について考えてみました。今回本音を聞いたのは、20代〜70代の女性135人です。
まず驚いたのは、人生100年時代と言われる今「何歳まで生きたいか」という質問に対する答えです。6割近くが「元気なうちに人生を終えたい」と答え、どの世代もダントツ1位でした。2位は「平均寿命は越えたい」で3割弱。100歳以上生きたいという人は、135人中たった5人(うち3人は50代)しかいませんでした。親の介護に差し掛かる世代の回答が多かったからか、現在の健康寿命(男性72.7歳・女性75.4歳)も考えると、「子どもに迷惑をかけたくない」「だらだら生きたくない」など思いはいろいろあるようです。
不安と楽しみの比率。後半人生を満たすものは?
長くなる人生ですが、「後半の人生を満たすために大事なものは何だと思うか」の問いの回答では、上位から、お金(89.7%)・健康(87.4%)・家族(84.4%)・友だち(80%)・趣味(56.3%)と続き、少し離れて6位は仕事(24.4%)でした。先立つものは、お金と健康、支える家族に友だちと思うのは、どの世代も変わりません。「何歳まで働きたいか」と聞けば、「身体と頭の自由が効く限り働かなければいけないと思う」が4割近くを占め、「死ぬまで働いていたい」(16.8%)と合わせると半数を超えます。「定年でリタイアしたい」という人は2割弱に過ぎません。「働くのが好き」という以外に、「老後の資金が不安」という理由が多いのも、こうした回答結果になった理由ではないでしょうか。
しかし、人生100年時代の不安と楽しみの比率を聞けば、全体の平均値としては楽しみのほうが高い結果に(56対44)。不安はいろいろあるものの「子や孫の成長を見届けたい」「変化する未来を見てみたい」「ゆったり旅行へ」「いろんなことにチャレンジしたい」など、将来へのポジティブな意見は多く見られました。