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情報誌CEL

鶴見 佳子

2017年07月03日

外からの目で上方文化の本質に迫る

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2017年07月03日

鶴見 佳子

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
ライフスタイル
住環境

情報誌CEL (Vol.116)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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「大阪・和の暮らしを体験する会」成果報告より

2017年2月、3日間にわたって、大阪で外国人を対象にした「大阪・和の暮らしを体験する会」が開催された。
それを受けて2日後には「『上方の生活文化』を考えるシンポジウム」を実施。
本レポートでは、二つのイベントの紹介を通して、現在のインバウンド対応だけでなく、今後の東京オリンピック・バラリンピックの後をも見据え、日本や各地域がこれから世界に向けて何を発信していくべきかを考える。

200年前のまち体験 ― 大坂を見る・聴く・味わう・感じる

大阪くらしの今昔館訪問

和の暮らしを体験する会を催した大阪くらしの今昔館(以下、今昔館)は2001年に開館し、1830年代・天保年間の大坂のまちを再現している。建具や展示物を手に取ったり、路地に入り込んだり、暮らしの目線で楽しめるのが魅力的だ。
年間利用者は2014年度の36万人から16年度57万人へ急増し、半数以上を外国人が占める。浴衣の着付けサービス(30分・500円)は、1日300人の枠が毎日完売するほど人気だ。自由に撮影ができ、自撮りしてSNSに発信すると、それを見てさらに来館が増える。
落語家の故・桂米朝の案内アナウンスを聞いてから木戸門をくぐると、江戸時代のまちに吸い込まれる。風呂屋や本屋、唐物屋、町会所、薬屋などがつくられ、町家の内部には座敷や竈、走り(流し)、水壺、井戸が効率的に配置されている。
一方、裏長屋には大工や青物売り、義太夫節の師匠が住んでいるという設定で、それぞれの暮らしが演出されている。当時の賃貸住宅のシステム「裸貸し」も見てとれる。江戸時代の大坂では、長屋の家主はスケルトン(構造躯体)を所有し、畳も竈もインフィル(内装・設備)はすべて店子の持ち込みだった。現代でいうSI住宅の仕組みが大坂にはあったのだ。
井戸端という共用空間はコミュニティの核であり、トイレやゴミの回収の仕組みは現代をしのぐエコシステム。町角や家の中に犬や猫、ねずみの置物が仕掛けられ、来場者に人気の撮影ポイントとなっている。
能楽や歌舞伎など本格的な古典芸能をいきなり鑑賞するのは難しいが、住まいと暮らしがテーマなら敷居が低い。学術的に裏付けられた専門博物館だからこそ見ごたえがある。多角的に楽しめ、何度行っても飽きない。「インバウンドという外的要因と、SNSの発達が昨今の入場者増を支えていますが、これをいかに深化させていくかは大きな課題。

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