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情報誌CEL

沖田 行司

2017年07月03日

江戸時代の学びと教え

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2017年07月03日

沖田 行司

住まい・生活
都市・コミュニティ

ライフスタイル
コミュニティ・デザイン

情報誌CEL (Vol.116)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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学びとは、得た知識や情報により豊かな人間形成がされ、社会をかたちづくるためのものである。
同時代の世界で類を見ないほど識字率が高かったといわれる江戸時代には、武士を育てた藩校や庶民の子どもに読み書きを学ばせた寺子屋、身分を超えた学び舎であった私塾など、様々な学びの場があった。
場と密接に結びついた江戸時代における学びの実際を通し、今求められる学びの場のあり方を探る。

はじめに

江戸時代の藩校や私塾、庶民の学びの場であった寺子屋(手習所)における教育は、一見して現代の体系化された学校組織や豊かな教育カリキュラム、多様な教育方法など、現代教育とは比較にならないように思える。しかし、教育の理想や目的、さらにいえば教育の大前提である教える者と学ぶ者の関係性においては、江戸時代の教育は、決して現代の教育に劣らない。江戸時代の藩校で学ぶ武士の子ども達は生まれながらに指導者としての誇りと使命感を養われて成長する。身分を超えて学んだ私塾では、学ぶ意義と誇りを自覚する教育が行われた。生活と繋がった内容を学ぶ寺子屋の子ども達は、読み・書き・算盤の熟達を通して、人生を豊かにする生活空間を広げていった。これら江戸の学びは、単なる知識や情報の獲得に目的が置かれていたのではなく、人間的な成熟と深く繋がっていたところにその特質が見られる。
封建的身分社会の中にあって、農・工・商三民を統治する武士階層に求められた資質をそのまま近代のリーダーの養成に置き換えることができないのは言うまでもない。しかし、卑怯を卑しむ心や、潔く生きること、自己犠牲の精神などは武士に限らず、当時の庶民の価値観にも通底していて、時代を超えて現代にも新鮮な意味を持っている。また、幕末から明治維新にかけて多くの下級武士が見せた、時代を読み取る先見性や、指導力などに、今日の日本人が及ばない「人間力」を発見することもできる。江戸時代の学びの実際に触れて考えてみたい。

I 武士の学びと教育

江戸時代において、武士の教育には四書(論語・孟子・中庸・大学)・五経(易経・書経・詩経・礼記・春秋)などの中国の古典が基本的なテキストとして用いられた。儒学の特質は、学問が個人的または社会的な道徳実践と深く結びついているところにある。戦国の世が終わり、全国が平定されると、武士の役割は戦闘集団から、農・工・商の三民を統治する封建官僚としての性格を強める。

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