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情報誌CEL

柘植 尚則

2012年01月05日

倫理学から考える「倫理的消費」

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2012年01月05日

柘植 尚則

住まい・生活

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-倫理学という観点-

 近年、環境や社会に配慮した消費活動に対して、「倫理的消費」という言葉が当てられるようになっている。だが、「倫理的」という言葉は、環境や社会への配慮に尽きるものではない。では、倫理的とはどういうことか。そもそも、倫理とは何か。
 倫理とは、人間が社会の一員として守るべきルールのことである。そうしたルールを守らなければ、人間は社会で生活できないし、そうしたルールが無ければ、人間は社会を維持できない。倫理は人間が社会を維持し、社会で生活するのに必要なルールである。それは、見方を変えると、人間の生き方や社会のあり方を示すものである。つまり、人間はどう生きるべきか、社会はどうあるべきかを、ルールという形で示すのが倫理である。したがって、倫理的とは、人間が社会の一員として守るべきルールにかなっている、あるいは、人間の生き方や社会のあり方にふさわしい、ということである。
 ところで、このような倫理について考察するものとして、「倫理学」という学問がある。倫理学は哲学の一つの部門であり、倫理について、その原理に立ち返って考察する。以下では、倫理学という観点から、倫理的消費について考えることにしたい。
 まず、倫理学の理論を簡単に紹介しておきたい。現在、主な理論として、「功利主義」「義務論」「徳倫理学」の三つがある。功利主義は「幸福」(人間として望ましいこと)を、義務論は「義務」(人間として行うべきこと)を、徳倫理学は「徳」(人間として持つべき性格)を原理として、倫理的な問題について考察する。つまり、幸福、義務、徳という観点から、それぞれ、倫理のあり方について考察する。
 功利主義は「倫理的な(正しい)行為とは、人びとの幸福を増大させる行為のことである」という立場であり、義務論は「倫理的な行為とは、義務に合致する行為のことであいう立場である。功利主義と義務論は基本的に対立している。功利主義が「行為が倫理的かどうかは、結果によって、つまり、人びとの幸福を増大させるかどうかによって決まる」と主張するのに対して、義務論は「行為が倫理的かどうかは、結果に関わりなく、義務に合致するかどうかによって決まる」と主張するからである。
 また、徳倫理学は「倫理的な行為とは、有徳な人によってなされる行為のことである」という立場である。功利主義と義務論が「行為」を考察の中心にするのに対して、徳倫理学は「人」を考察の中心にする。そして、優しさ、賢さ、誠実さといった、行為する人の性格を重視する。