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情報誌CEL

石鍋 仁美

2012年01月05日

「倫理」が拓く新市場

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2012年01月05日

石鍋 仁美

住まい・生活

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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「エシカル(ethical)」という言葉が全世界で共通する消費のキーワードとして浮上してきた。
 エシカルとは倫理的、道徳的という意味の英語だ。地球環境に配慮する「エコロジー」を起点に、社会や人間の問題も視野に入れ、進化した流れがエシカル消費と言える。貧困や児童労働の解消、伝統や職人技の再評価、地域コミュニティーの維持・再生などが主なテーマになる。
 1990年代に台頭したエコロジー消費では「地球に優しい」という言い回しが流行した。エシカル消費とは「地球だけでなく、社会や人間にも優しい消費」と言える。
 消費者の関心を背景に、一等地に建つ大手資本の商業施設が一斉に「エシカル」に目を向け始めている。
 東京都心の表参道ヒルズに開店した「DoGood, BeHappy!」は「グリーンでエシカルなライフスタイル」を提案する店。チベット族の自立を目指し女性社会起業家が立ち上げたブランドで、ヤクの毛を使った衣料品「ショーケイ」をはじめ、オーガニックコットン(有機栽培の綿)や途上国製の木製玩具などを扱う。
 店主の林民子さんは、かつて高級ブランドのPRの仕事をしていた。エシカルな企業やものを広めようとコンサルタントに転身、紹介と交流の場としてこの店を設けたという。
 東急電鉄が横浜市の高級住宅街で運営する「たまプラーザテラスゲートプラザ」にも、やはりエシカルな商品を集めた「センスオブライフ」が開業した。フェアトレード(途上国の生産者に適正な利益を還元する公正貿易)、オーガニック、エコロジーを3本柱に「良質な商品を買うことで社会貢献ができる店」を目指す。百貨店などの催事販売で実績を積み、常設店の開業に至った。
 東京・銀座で阪急グループが運営する専門店ビル「モザイク銀座阪急」には、日本でのおしゃれなフェアトレード商品の開発販売で先駆けとなった「ピープル・ツリー」に続き、バングラデシュで高付加価値のバッグを生産し貧困を解消しようと活動する「マザーハウス」も店を構える。
 三菱地所の新丸ビル1階の宝飾品店は「日本初のエシカルジュエリーブランド」をうたう「HASUNA」の作品を大きく扱う。孤児らの自立を目指すアフリカの工場で加工した牛の角、環境に配慮した南米の鉱山で採掘した金、中米で職人が研磨した貝殻、リサイクルのプラチナなどから作ったネックレスや指輪がケースに並ぶ。こうした専門店や百貨店の店頭で支持者を広げ、2011年にはファッションの聖地とも言える東京・港区の南青山地区に自社店舗を構えるに至った。