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情報誌CEL

大林 厚臣

2011年09月30日

時の話題 社会を支えるために求められる「事業継続計画」

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備考

2011年09月30日

大林 厚臣

都市・コミュニティ

その他
都市システム・構造

情報誌CEL (Vol.97)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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東日本大震災では各種のインフラが途絶したほか、企業間で被害が連鎖して大規模な事業停止を引き起こした。災害による事業の中断が、今回ほど広範囲に波及した例は珍しい。しかし災害や事故による連鎖的な事業中断は、次にあげるような理由から今後も増えるように思われる。
(1)経済活動のグローバル化によって、世界の1カ所の事業中断が広範囲な影響を及ぼしうること。
(2)サプライチェーンの高度化によって、1社の事業中断が多数の企業に影響を与えること。
(3)事業の情報通信システムへの依存が高まり、人手による代替作業が難しくなること。
情報システムの処理速度は人間の判断力を超える速さなので、トラブルが発生した場合に被害の波及を抑えにくい。

-企業の事業継続-

 したがって重要な事業が、災害や事故などの理由を問わず中断しない、あるいは中断しても許容時間内に許容水準に回復できるようにする取り組みが重要である。そのような取り組みを、事業継続計画(BCP)、または一回限りの計画ではなく持続的な取り組みであることを強調して、事業継続マネジメント(BCM)という。
 近い将来に、東海、東南海、南海、あるいはそれらの連動地震の可能性が想定される現状では、今回の震災を教訓にして、すみやかに企業のBCPを見直し普及させる必要がある。重大なリスクは地震だけではない。新型インフルエンザは、2009年の流行では弱毒性であったが、H5N1などのタイプが人から人へ感染するように変異するのは時間の問題と考えられ、その際には強毒性をもつ可能性があるといわれる。強毒性インフルエンザが大流行した場合の想定死者数は、東日本大震災を超えるものになる。
 しかし、悲観的な材料ばかりではない。今回の震災でも多くの流通業者が事業継続に並々ならぬ努力をして、被災地の生活や経済活動を守っている。金融機関も一部にトラブルがあったが、総体として決済機能を維持した。そして被災した多くの製造業者が、取引先の支援にも助けられ、当初の予想より早く事業を再開している。今後ともなおいっそう、企業のそのような取り組みの重要性が増すことになる。