
吉川 勝秀
2004年12月25日作成年月日  | 
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                   2004年12月25日  | 
                吉川 勝秀  | 
                 都市・コミュニティ  | 
                 まちづくり  | 
                情報誌CEL (Vol.71)  | 
                
                
                
                
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歴史を通じて水・川は生命の源であり、都市の形成や発展において、物流の基盤や都市の軸を形成する空間として都市とは切り離せない存在であったことは事実である。二〇世紀の人口の増加、都市化の進展により、パブリックな都市インフラである川の価値が忘れ去られていたが、再び水辺に向き合い、川の再生から都市を蘇らせることが議論されるようになってきた。そして、その先進的な事例も数多く見られるようになってきた。例えば、ボストンでの水辺からの都市再生、シンガポールのシンガポール川、東京の隅田川、徳島の新町川からの都市再生などである。そして今、世界から注目される韓国・ソウルの清渓川からの都市再生がある。
以下では、このソウルの事例を中心に、日本の例も紹介しつつ、水辺からの都市再生について述べてみたい。
世界の河川と都市の風景
都市の風景を形成する要素として、パブリックな都市インフラとしては、道と川と緑地・公園が挙げられる。そして、プライベートなものが多いが、建築物がある。日本では、都市の空間の約一〇パーセントは河川空間であり、道路が一六パーセント程度、公園・緑地が三パーセント程度であり、都市空間の約三割はパブリックな空間(公有空間)である(※1)。土地と建物の私有財産権がきわめて強く、都市の計画的な誘導がきわめて困難な日本においては、公有空間である川(水辺)の再生とそれを核としての都市再生が考えられてよい。
情報誌CEL