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情報誌CEL

豊田 尚吾

2005年06月30日

希望格差社会と信頼社会(後編)

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2005年06月30日

豊田 尚吾

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情報誌CEL (Vol.73)

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 前号(前編)では、山田昌弘氏の「希望格差社会」という書籍をもとに、日本社会の格差動向について問題提起を行った。本稿では、「希望格差社会」の懸念は妥当か、参考とすべき論点は何かを検討した後、社会的ジレンマ論の枠組みで問題を捉えるとどう考えられるかを論ずる。加えて独自のデータを用いた考察を行う。

 結論を述べれば、希望格差、特に格差拡大の現実性について、現在は様々な主張が混在しており、統一的な見解を出すことは困難である。しかし、問題意識としては重要であり、取り組むべき論点があると考える。特に格差が固定化し、不遇なグループが「諦め感」を持ってしまうこと。そしてそれがモラルの喪失、反社会的行為へとつながる結果、社会的なリスクが一層大きくなり、勝ち組を自認する人

を含め、全ての人にとって望ましくない社会を作り出してしまうという見方が興味深い。これはすなわち、社会的ジレンマの枠組みで捉えることのできる問題となるのではないかというのが本稿での主張となる。そしてこれは、今号のテーマである「ソーシャル・キャピタル」とも非常に密接な関連がある。

 一方、筆者が所属する組織が行った調査から得られた独自のデータを分析した結果、格差の拡大を意識する人、今後の格差を予想する人が多く、それが解決すべき問題であるとの認識を持つ人もかなりの割合で存在した。格差を意識する人は、現在、自らの生活水準を「下」と判断する人が多く、意識の偏りの存在が、問題の重要性を示しているのではないかと結論づける。