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2023年03月13日 by 金澤 成子

今どきの出産・育児事情【育休・復職期】



こんにちは。エネルギー・文化研究所長の金澤成子です。


エネルギー・文化研究所は、深刻化する少子化問題を受け、働きながら出産・育児をする女性たちの本音を探り、新たな課題を発見するため、一昨年夏に「新米ママラボ」を立ち上げました(※1)。マタニティ期〜出産・育休期〜復職に至る期間での調査(※2)をもとに、その課題と未来について考察していきます。今回は、情報誌「CEL」132号の「未来ブラリ」(2023年3月1日発行)より抜粋し、育休・復職期を中心に、ご報告させて頂きます。


※1女の欲望ラボ(山本貴代代表)と共同発足

※2アンケート調査:新米ママラボ会員22人(30代中心)、ベテランママ22人(マダムラボ会員50代中心)、

2022年10〜11月実施

 

1.育児休業は休暇ではなかった?


まず、仕事から離れ初めての育児に奮闘する新米ママたちに、育児の「大変さ」について聞くと、「目が離せない」「離乳食」「夜泣き」がベスト3で「自分の時間が取れない」「仕事との両立が大変」( 何人かは仕事復帰済み)と続きます。育休の日々は、思っていたものとは違ったという人が半数以上。「もっとゆったりと過ごせると思っていた」「休暇というけれど休暇じゃなかった!」。約30年間前に新米ママだった私の時も、産前産後休暇制度に新たに1年間の育児休暇制度が導入されたばかりで、慣れない初めての育児に奮闘しながら、仕事への復帰の不安もあり、楽しむ余裕もなく、あっという間の1年でした。

 


2.夫の育児協力に対する妻の本音は?


夫の「育児関与具合」についてみてみると、新米ママは、不満はない (ない+どちらかといえばない)が73%ですが、ベテランママは52%でした。昔よりは、夫は育児に関与しているようですが、実際、育休を取った夫は全体の4割程度で、制度はあるのに、男性にとっては、まだまだ取りにくい休みのようです。その内訳は、8ヶ月育休を取って夫婦ともに仕事復帰した人は1人、あとは「2ヶ月(3人)」「1ヶ月(2人)」「1週間(1人)」「5日間(1人)」「退院後数日(1人)」と、制度を利用したり有給休暇を消化したりとまちまちでしたが、取得した期間は8ヶ月や2か月など、意外にも長いのも、驚きでした。夫が1ヶ月育休を取ったママからは、「負担は軽くなりました。わからないことを一緒に考えていけたこともよかった」と。一方で、「理想の夫の育児協力」について聞くと、まだまだ妻任せの夫が多いようで、男性の育児協力への不満など、妻のさまざまな思いが噴き出てきました。「協力ではなく、同じ熱量で育児に参加してほしい」「育休をとっている私が全てやると思わないで」「言わなくてもやること!」「自分の欲求より親の役割を優先して」「おっぱい以外全て代わりを務められること。妻の育休中も家事育児を自分事として認識すること」など。育児に積極的にかかわる夫の様子はうかがえるのですが、夫が時々手伝うだけでは「育児の仕方がわからず」でやや不満の声も聞こえてきています。夫の育児が上達するためには、育休がもっと柔軟(育休分割上限回数をなくすなど)、あるいは「義務化」など、職場に気を遣わず、取得できることが必要なのかもしれません。


私の息子も、共働きで、1歳の孫を保育所に預け、夫婦で家事と育児を分担と言いながらも、夜勤もある医療関係の多忙な仕事にヘロヘロになっていることもあり、同じく医療関係に従事するお嫁さんに頼らざるを得ない状況で、お嫁さんのストレスのほうが心配です。男女平等社会の理想の育児は「どちらも主体」。どうやら夫の意識改革も課題のようです。



イラスト:ちばえん


 

3.復職時にあったらいいサポート制度


ママのストレスを軽減し、夫と理想の育児をしていくためには、国や企業はどんな制度を作ればいいのでしょうか。新米ママたちからは、「夫たちにまずは『親になるということはどういうことなのか』をよく考える機会を与えてほしい」「夫も子どもが生まれたら残業しない制度」「子どもが3歳になるまでは飲み会に呼ばない制度」「男性の育児休業の義務化」「国が半強制的に時短を男女平等に取るように推進」「定時帰りが許される風土」。ベテランママたちからも「父親をサポートする取り組み、仕組みが必要」「女性だけが長い育休を取得する社会から脱却しなければ、いつまでも男性偏重社会から卒業できない」「妻だけでなく、夫の会社の理解が重要」と、似たような意見が出ました。その他、新米ママたちからは、「オンラインで復帰後の体制の事前説明」「病児休暇を増やしてほしい」「企業内保育所がほしい」という、復帰の不安を緩和するサポートを願う声、ベテランママたちからは「望まない転勤はさせないなどの配慮が必要」「家事労働にどれほどの内容と時間がかかるのかの認識が社会全体で欠けている」「少ない時間で成果をあげる社員をより評価すべき」などの意見もあり、復職への不安や要望は尽きません。「仕事と育児の両立ができるか (90・9%)」がダントツに高く、次に「仕事についていけるか」「保育所選び」が続きます。私の場合は、育児休業制度もできたばかりで、女性は就職難でもあり、転職など選択肢にあるわけがなく、今のようなPCやメール環境もなかったので、復職後の不安から、スムーズなキャッチアップのため、1年の育休中も定期的に職場から月次報告を郵送してもらっていました。孤立しがちな育休期に、地域の育児サークルや定期的な職場面談などで、少しでも社会との接点を持ち続けることで、不安やストレスから解放されるのかもしれません。また育休中に、今後の人生についてあれこれと考え、転職や退職を考えるママたちが実に多いことにも驚きました。「仕事は人生の一つのパーツにすぎない」と視野が広くなったり、「働き方を変えたい」「もっとキャリアアップしたい」と思ったり。育休中にスキルアップの資格取得やセミナーを受講するママたちも何人かいました。昔は転職や退職などを考えるママは少数派でしたが、今の女性にとって育休とは、一度立ち止まり人生を考え直す時間でもあるようです。


今後は、復職後の転職を視野に、育休中に資格取得をする女性も増え、育休期は転職検討期でもあることから、企業側も、男女ともに育休中の従業員に対して、職場で働く従業員以上にケアする (例えば、キャリアアップのための積極的な資格取得支援など)必要があるのではないでしょうか。


イラスト:ちばえん




4.先輩ママから新米ママへの熱いエール


「不安よりもチャレンジ。絶対に将来人として大きくなれる」「育児を理由に諦めないで。子供にとっても人生の先輩として自信を持って生きてほしい」「絶対なんとかなるから、仕事だけは辞めちゃだめ。困ったら声をあげて。その声を聞いてくれる人は必ずいます」「自分の理想にこだわりすぎないで」「仕事も育児も適当を目指して頑張って」「自身の仕事は、あなたの子供の未来づくりに必ず貢献します」。育児に奮闘しながら、いろいろと思う新米ママに対して、仕事も育児も乗り越えてきたベテランママたちからは、たくさんの熱いエールが送られてきました。


私も、当時は実家と同じマンションに引っ越し、息子が保育所、小学校に通う間、何かある時には頼れる環境であることで、安心して働き続けることができ、息子が大きくなる頃には、近くに住んでいたことで、年老いた両親の世話もできました。今は、共働きの息子夫婦に代わって、たまに孫のお世話で、在宅勤務との併用で、保育所のお迎えに駆けつける日々ですが、私自身のことも含めて、遠くの親戚より近くの他人で、何かあれば頼れるご近所や社会があるにこしたことはないと思います。


育児休業制度の改正によって、会社だけでなく、社会全体で育児を支援していけるようになれば、育児に限らず、これからの長寿社会を共助で支えていけることにつながるのではないかと思います。


なお、今回の報告は、情報誌「CEL132号の「未来ブラリ」でもご覧いただけます。過去の「未来ブラリ」も様々なテーマでレポートしていますので、ぜひご覧ください。

 


 未来ブラリ  第7回 働くママの未来を考える。育児休業と復職/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)



未来ブラリ 6 働くママの未来を考える。新米ママラボ発足!!/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】(og-cel.jp)



未来ブラリ 第5回 人生100年時代、どう生きる?/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)



未来ブラリ 4回 スマホとの蜜月関係を探る/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)



未来ブラリ 3回 コロナ禍、住まいは空母化する?/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)



未来ブラリ 2回 食と人間関係 コロナ禍の新ルール/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)



未来ブラリ 1回 変わるオシャレ欲/CEL【大阪ガスネットワーク株式会社 エネルギー・文化研究所】 (og-cel.jp)






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