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情報誌CEL

内田 奈芳美

2024年03月01日

“ウォーカブル先進国”アメリカの現状と課題 −ポートランド、シアトル、そしてニューヨークに見る

作成年月日

執筆者名

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媒体(Vol.)

備考

2024年03月01日

内田 奈芳美

都市・コミュニティ
住まい・生活

まちづくり
住生活
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.134)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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まちづくりにおける重要なキーワードとして、日本でも定着しつつある「ウォーカブル」というコンセプトは、極端に進んだ車社会への反動としてアメリカで生まれた。単に「歩きやすい」だけでなく「すすんで歩きたくなる」アメリカ諸都市はなぜ、どのように人々をひきつけ、社会と地域をどう変えてきたのか。また、都市の成り立ちや文化的な諸条件において大きく異なる日本は"ウォーカブル先進国"アメリカから、今何を学ぶべきなのだろうか。都市デザイン・プランニングの専門家として、多くのウォーカブルなまちづくりに関わり、アメリカ滞在の経験も豊富な内田奈芳美氏にお話を伺った。


「ウォーカブルなまちづくりの先進的な事例がアメリカにある」と聞いて、ピンとこない読者も多いのではなかろうか。さまざまな産業分野で世界の技術革新をリードし、新しい考え方をもつ若い世代も登場している――そんな報道に接してもなお、アメリカすなわち典型的な自動車社会という古いステレオタイプのイメージはついてまわる。
「実はアメリカでも、今の若い世代の自動車所有率はすごく下がっているのです」と語る内田氏はまず、日本とアメリカの意外な共通項を教えてくれた。
「背景には大学の学費などで借金を抱える人が増えた、などのネガティブな要因もあるでしょう。でもそれだけではなく、地球温暖化問題をはじめ環境への意識が高まったことや、IT技術の革新で公共交通も使いやすくなった、といったポジティブな面も大きいのです」
カーシェアやライドシェアの普及はもちろん、スマホの普及でバスや路面電車の位置情報も把握しやすくなった。停留所で次のバスを待ちながらスマホをいじっている、そんなアメリカの新しい若者たちの姿が想像される話だ。
「かつてソースティン・ヴェブレン[*1]が明らかにした『顕示的消費(見せびらかし消費)』としても、自動車はアメリカ社会において非常に大きな象徴的な意味をもっていました。けれども、今は若い人たちの多くが車を単に合理的な移動手段としてクールに見るようになっており、これを所有しなくていいウォーカブルな場所に住むことを選択しはじめました」


[*1]1857〜1929。アメリカの経済学者・社会学者。

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