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情報誌CEL

黄 國賓
赤崎 正一

2019年11月01日

“多主語的”なアジアが硬直した文化を突破する

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2019年11月01日

黄 國賓
赤崎 正一

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.123)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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文化とは古来、国や地域、世代に固有のものであると同時に、たがいの影響関係のなか、新たなかたちへ常に変わり続けているという面も、見逃すことができない。
近年は、日本の大学や大学院へ留学してくるアジア系の若者が急増しているが、そこでの教育は西欧を規範にした近代日本文化の一方的な押し付けになってはいないだろうか。
たんなる知識や情報、技術や資格の伝達にとどまらない、相互の吸収と学びへの試み、デザイン教育によりアジアと日本の新たな絆を築く、ひとつの創造的な挑戦を取材した。


日本――アジア――欧米という文脈のなかで

日本とアジア各国は、長い歴史のなかでたがいに刺激を与え合ってきた。日本の高等教育機関に在籍する留学生の9割をアジア圏出身者が占める[*1]昨今、大学のキャンパスもまた、よそ者同士の交流の場といえるかもしれない。そうしたなか、デザインを軸に、アジアの若者たちが各国の伝統や文化を学び、知恵や情報を交換する場を目指してつくられた、ユニークな研究所が神戸芸術工科大学にはある。
その名も「アジアンデザイン研究所」。今も現役のグラフィックデザイン界の重鎮で、アジア図像学研究の第一人者としても知られる杉浦康平さんが中心になって約10年前に設立された。現在、杉浦さんの後を受け継いで同研究所長を務める黄國賓さんと、杉浦康平さんのデザイン事務所出身で同大学教授でもある赤崎正一さんに、アジアンデザイン研究所が育ててきたさまざまなつながり、果たしてきた役割について話を伺った。 「アジアンデザイン研究所は大学や大学院とは切り離された独立した研究組織で、杉浦康平さんが一貫して展開してきたデザインワークから図像学に至る、アジア的なものへの関心と、それに対するアプローチから生まれた独特の研究の場と言っていいでしょう」
そう語るのは、ご自身も同大学の3期生で、大学院で博士号を取得した杉浦さんの研究室出身の黄さん。一方、長年にわたり杉浦さんと行動を共にしてきた赤崎さんは、そうしたアジアに対する関心の出発点を次のようにみる。


*1 独立行政法人日本学生支援機構「平成29年度外国人留学生在籍状況調査結果」より 。