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情報誌CEL

細川 裕之
川幡 祐子

2019年11月01日

地域と「よそ者」が混じり合う場づくり−息づくまちはいかにつながり続けるか

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2019年11月01日

細川 裕之
川幡 祐子

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.123)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

「地域におけるよそ者の役割」を考えるにあたって、ひとつの事例を紹介する。
舞台は 2017年にオープンしたシェアアトリエ「ヨリドコ 大正メイキン」。
大阪市大正区泉尾にある築約65年の長屋「小川文化」を改修し、クリエイターのための住居・店舗付きシェアアトリエに再生したそのプロセスは、よそ者が、地域で紡がれてきた物語や知恵を尊重し、長期的な目線で、丁寧に地域と関わろうとする姿勢がうかがえるものであった。

「ヨリドコ 大正メイキン」は、JR大正駅から歩いて約15分、商店街にほど近い、おだやかな暮らしの息遣いが感じられるまちにある。
道路に面した元長屋の側壁部分を入り口にしているため、正面から見るとこぢんまりした印象の建物だ。しかし、白壁に窓を大きく取った1階部分と、古いトタンをめぐらした2階壁面との意匠の対比が味わいを醸し出しており、通りすがりについ足が止まる。誘われるようにガラス越しに中を覗くと、壁を取り払った奥行きの深い空間が目に飛び込んでくる。さらに周りには何やらつくっている人の姿、いたるところにディスプレイされた、商品と思しき品々――見るほどに「気になる建物」なのだ。
この建物の再生に携わった主要人物は、すべて大正区外出身、つまりよそ者だという。そこで、プロジェクトにあたった主要メンバーのうち、アトリエの運営に携わるオルガワークス株式会社専務取締役・細川裕之氏と、プロジェクトのプロデュースを担当した一般社団法人大正・港エリア空き家活用協議会(WeCompass)代表理事・川幡祐子氏に、改修にいたるまでの経緯や実作業について、またその後の展開までさまざまなお話を伺った。
おふたりに訊く「小川文化再生物語」から、「地域でよそ者が面白いことを始めた」という表層にとどまらず、地域の歴史を尊重し、長期的な目線をもって取り組んだ場づくりのプロセスをひも解いていきたい。


小川文化再生物語――プロローグ

物語の舞台となる地域の話から始めよう。大阪市西部に位置する大正区は、江戸期の新田開発などで造成された海と川に囲まれた区域である。明治期には区内に大阪紡績会社(現・東洋紡)が創業、大阪の紡績産業の発達を牽引し「東洋のマンチェスター」と呼ばしめる原点ともなった。戦後、紡績産業衰退後も中小工場が立ち並ぶ「ものづくりの町」として発展してきた。