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情報誌CEL

諸富 徹

2020年11月01日

持続可能な社会に向けて − 産業構造の転換点とそれに基づく都市のあり方

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2020年11月01日

諸富 徹

エネルギー・環境
都市・コミュニティ

エネルギー・ライフスタイル
都市システム・構造
まちづくり

情報誌CEL (Vol.126)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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日々、さまざまな変化への対処を迫られながらも、より長期的で根本的な地殻変動のようなものを足下に感じる機会が増えている。当たり前だった生活の細部までが見直される契機となった、新型コロナウイルスの感染拡大によるところも大きいのだろう。
モノからコトへ、ハードからソフトへの「非物質化」という資本主義の大きな構造変化に着目する著作『資本主義の新しい形』(岩波書店)のなかで、京都大学大学院経済学研究科教授の諸富徹氏が指摘するのは、大きな変化に乗り遅れた日本の厳しい状況だ。環境問題から出発したキャリアのなかで、都市設計やエネルギー問題、そして税制など、古典的なモデルを使って効率や成果を求めるだけではない、持続可能な制度設計や解決策を模索してきた。
そんな経済学者の目に、繰り返される目前の小さな軌道修正や習慣の見直しは、どう映っているのだろう。大きな潮流のなかで、これからの日本における産業構造や都市構造はどう変わり、そこで私たちはどう生きていくべきなのか? 独自の経済学が描く見取り図について詳しく伺った。

「この夏、内閣府は2012年12月から続いた景気拡大が2019年10月には終わり、すでに景気後退局面に入っていたと認定しました。景気回復期間は71カ月で戦後最長記録にはならなかったと報じられているのですが、『その間、本当に景気がよかったの?』と違和感をもたれた方も少なくないはずです。
景気拡大といっても、かつてのように工場がフル稼働で生産が盛り上がる、というような目に見えて分かりやすいものではなくなりました。いわば、平べったい景気の変動しかみられないような時代です。その理由をひと言で言うなら、経済の中心がモノではなくなっているからでしょう」
同じように、主要先進国に共通する成長率の低迷や貯蓄超過、投資機会の喪失といった最近のトレンド(日本の長期停滞や企業の内部留保の増加もこれにあたる)は、どれも資本主義の「非物質化」によって説明できるという。

モノではなく、人が中心にある経済

「非物質化」と聞いて、日本の「モノづくり」が危うくなっていることを危惧する人も少なくないだろう。一方で、「脱工業化」「サービス化」といった話は、もうずいぶん前から繰り返されてきた、お馴染みのストーリーのようにも思える。
「確かに早いところでは1950年代から『知識産業』が語られ、とりわけ1970年代の石油ショックを契機とし、それまでの成長モデルが崩れだしてから言われていた流れと基本的には同じです。