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情報誌CEL

屋名池 誠

2020年03月01日

鬼っ子「右横書き」とその時代 −縦書き専用だった日本語が縦書き・横書き両用となるまで

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2020年03月01日

屋名池 誠

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情報誌CEL (Vol.124)

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鬼っ子「右横書き」とその時代
――縦書き専用だった日本語が縦書き・横書き両用となるまで

漢字・カタカナ・ひらがなといった独自の書字文化をもつ日本。
本来、日本語は「縦書き」に適したものとして発展を遂げてきたが、江戸後期には「横書き」というまったく異質な書字文化に遭遇する。
現在の「左横書き」が主流の時代となるまでに、反発と模倣、さまざまな試行錯誤があった事実は、あまり知られていない。
だが、そのユニークな遭遇史は、異質なものとの出会いを新たな創造につなげる文化的プロセスの良き見本として、現代にも役立たせることができるのではないだろうか。

近代以前の日本の「一行一字の縦書き」表記

日本語を使うわれわれにとって、文字を縦書きにも横書きにもできることは、ごく当たり前のことにすぎない。しかし、縦書きする英語などというものがない(縦長の看板などに見られる一見縦書きのように見えるものは、一行一字の横書きである)ことからもわかるように、世界的にはこうした自由のきく言語はきわめて稀なのである。
実は日本語が縦書き・横書き両用になったのも、わずかここ百数十年のことにすぎない。日本語は古来縦書き専用だったのだが、左から書いていく横書き(以下、「左横書き」とよぶ)を使う欧米の言語との出会いによって、横書きという新しい様式をもつに至ったのである(日本語同様に現在縦書き・横書きどちらもできる中国語や朝鮮語も、もともとは縦書き専用で、近代の日本語の事例に触発されて横書きが始まったものである)。
こういうと、「いや右から書いてゆく横書きなら昔からあったのでは」と思う人も多いのではなかろうか。欄間の扁額などによく見られる、図1のような書き方である。図1は江戸時代初期の禅僧沢庵の筆になるもので、右から「無一物」と書かれている。実はこれは横書きではなく、一行一字の縦書きなのである。紙の幅いっぱいに大きな文字が書かれているので、縦書きの一行に一字しか入らず、左へ進むのは行が移ってゆくからなのである。字が小さく書かれて、縦方向にも二字以上文字を入れる余裕があれば縦書きされることは、図1の左端の署名に見られる通りである。
こうした例が、横書きではなく、確かに「一行一字」の縦書きであることは次のような点からも知ることができる。

図1:禅僧沢庵の筆
禅僧である沢庵宗彭(たくあんそうほう)筆による横長扁額。「無一物(むいちもつ)」と右から横書きで書かれているように見えるが、実は一行一字の縦書きである。

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