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情報誌CEL

高橋 俊郎

2018年03月01日

大阪を愛した文学者たち、そのまちと人

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2018年03月01日

高橋 俊郎

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情報誌CEL (Vol.118)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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宇田川文海から織田作之助、藤沢桓夫まで。
大阪のまちと人を愛し、作品とした作家は数多いが、大阪文学が大阪的である所以はどこにあるのか。
近代文学の発生を起点として、新たな文脈のもとで甦る井原西鶴のリアリズムの精神、エスプリの効いた漫才との融合など、独自の文学的土壌を生み出した大阪の文化と風土を見つめる。

「文学の土壌」があってこそ「文学」が生まれる。そして、その土壌そのものの「大阪」と「大阪人」を描くことが、すなわち人間の真実を描くことにつながると信じた文学者たちがいた。
明治150年にあたる今年は、近代文学の発生から見直すのに格好の機会である。実はそれもまた、大阪が始まりだった。
数多い大阪を描いた文学者の中から、大阪のまちと人への強いこだわりを持った幾人かを見直してみたい。

1:文学の近代化の嚆矢は大阪から 宇田川文海『何櫻彼櫻銭世中』

明治18(1885)年4月10日、朝日新聞連載第1回の紙面の一部を転載したので、じっくり見てもらいたい。タイトルには「趣向は沙士比阿の肉 一斤、文章は柳亭種彦の正本製」[*1]と注釈が付いている。この連載のユニークなのは、第1回を「発端」と題する中等学校生3人の会話文とした点で、挿絵は、当時の大阪で最もハイカラな鉄橋心斎橋の橋上である。
「ヤア中村君、僕は今では東京にも滅多にない、初代柳亭種彦の正本製を買ったが君のは何だい」
「ヲゝ和田君、僕は翻訳書の沙士比阿の人肉質入裁判さ。道徳と法律の関係を容易く知らすために仕組んだ、実に世の中の為になるものだが、趣向もすこぶる奇妙だ」
「西洋は人智が開進しているから所謂怪力乱神を語らずで、半開の日本人の目で見ると却って平淡で味わいのないように思われる」と、立ち話する2人に、小説狂の鳥山君が割って入り、
「かく言う僕も今、旧幕時代の裁判書の古写本を求めたが、其の中に面白い裁判がある故、御両君の人肉裁判と正本製の両書を今夕一夜拝借し、御両君の御説を折衷して西洋小説の精神と日本小説の趣向と互いの妙所を採り、古写本の実説に交加て文法は正本製の顰に倣い、一篇の小説を作って御両君の御批評を仰ぎましょう」
そして、第2回から物語が始まり、時は幕末、舞台は伝法村から天満天神社、老松町、中之島、栴檀木橋、長堀会所、東役所、網島別荘と展開し、5月20日の第35回で大団円となる。



*1:沙士比阿はシェイクスピアの意。柳亭種彦とは江戸時代後期の戯作者。長編合巻『偐紫田舎源氏』などで知られる。また、正本製とは歌舞伎正本の形で書いた草双紙のこと。
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