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情報誌CEL

長谷部 八朗
尾田 栄章

2017年10月31日

【対談】「講」的集団とかつてのインフラ事業に学ぶ「交」のあり方

作成年月日

執筆者名

研究領域

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媒体(Vol.)

備考

2017年10月31日

長谷部 八朗
尾田 栄章

都市・コミュニティ
エネルギー・環境

コミュニティ・デザイン
都市システム・構造
地域環境

情報誌CEL (Vol.117)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
全文をご覧いただくにはPDFをダウンロードしてください。

伊勢神宮や富士山など寺社や霊場を訪れる旅は、内外かかわらず高い人気を誇っている。
そのおおもととなる「講」というシステムは、時世にあわせさまざまに変化し、宗教を超えた経済や社会に役立つしくみも生み出していた。
今号では、「講」の本質を思想面で研究する長谷部八朗氏と、奈良時代に現在のダムや河川改修事業の原型をつくり出した行基集団をインフラ整備の専門知識で分析する尾田栄章氏に、今必要な「講」的交わりのあり方について伺った。

奈良時代に行われた大事業

長谷部:尾田さんは畿内の歴史について大変に造詣が深い方ですが、私も淀川が好きで、その南東側にある生駒山との関係にはずっと個人的な興味を抱いています。
山腹にある有名な生駒聖天(寳山寺)を詣でるための講も、かつてはたくさんありました。商売の神として大坂商人の信仰を集めたというイメージが強いかもしれませんが、江戸時代には畿内はもとより大変広い範囲から人々を集め、そのなかには大工や魚屋といった職業講もありました。
これとは別に、山麓には朝鮮寺と呼ばれる在日韓国・朝鮮人の方々の信仰を集めるお寺がたくさんあり、私はそれにも関心があって、何度か訪れているのです。あまり知られていませんが、淀川のほとりで韓国・済州島からやってきた巫堂(ムーダン)と呼ばれるシャーマンが祭礼を行うこともあります。おそらく、地元(済州島)の海に淀川を見立てているのではないかと思います。

尾田:それはとても興味深いお話ですね。淀川の下流から見ると、生駒山自体がひとつの大きなランドマークになっています。その海側の山麗地域は縄文、弥生時代を通じて遺跡も多いですし、あのあたりはとても面白いところですね。

長谷部:私は奈良、大阪を含めた宗教文化の重要な拠点だと感じています。尾田さんは、淀川流域でかつて行基が行った数々の土木工事について、1冊の本にまとめられていますね(『行基と長屋王の時代―行基集団の水資源開発と地域総合整備事業』)。

尾田:もともと私は、歴史の専門家ではありません。行政の仕事を通じて河川というものと関わってきたのですが、川と水が人と人を結びつけ、地域の文化といかに深い関わりをもっているか、さまざまな歴史を調べれば調べるほど強く感じていました。
たとえば戦前に土木学会が出した『明治以前日本土木史』という大部の本があるのですが、ここには近代以前に日本の河川がどのように整備されてきたか、流域別の歴史が詳細にまとめられています。
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