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情報誌CEL

内田 由紀子

2015年07月01日

未来への展望: 問われる幸福の指標の活用

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2015年07月01日

内田 由紀子

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.110)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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幸福を支える集合的要件

 

世界各国で「幸せ」を指標化する動きが盛んだ。日本の「幸せ」はどのような特徴があるのか、それをふまえ、どのように幸福度を測り、活用していけばよいのだろうか。地域での幸福度を向上させ、持続可能な地域づくりにつなげるための、幸福の指標の活用について考察する。


はじめに


21世紀に入ってから14年が経ち、経済成長の停滞、少子高齢化、地域の消失など、高度経済成長期には見られなかった問題が顕在化しているといわれている。 このような日本の現状に連動するように、特に先進国をはじめとする世界各国において、豊かな生き方の指針として「幸福」という概念が注目を集めている。社会科学をはじめとする学問分野の中でも「幸福感」研究が大きく取り上げられるようになり、その論文数も大きく増加、幸福というキーワードのもとに、幅広い研究フィールドの協働が進んでいる。

 

経済的豊かさと心の豊かさ


高度経済成長期の時代には、経済的な豊かさが心の豊かさと結びつけられがちであった。たとえば、かつての往復書簡でのやりとりが、今はメールでほんの数分もあれば短いやりとりが可能になる。そうすることで、インフラや道具がととのい、暮らしが便利になっていくことで、余裕が生まれ、様々な労働から解放される、そういう手応えが確かにあったに違いない。そして、国の豊かさを示す指標として用いられてきたのは、経済指標のGDP(国内総生産)であった。
しかしあらたに生み出された経済的豊かさは、時には心の豊かさと微妙に違った方向をもたらすことがある。たとえば往復書簡でやりとりしていたころより、「メールだからすぐに返信ができるはず」という互いの期待がそのスピードと量を加速化させ、日々の膨大なメールのやりとりに忙殺されることがある。また、インフラサービスと利便性がある都市に人々の働き場や住居が集中し、人口密度に偏りがうまれた。その結果として、特に都市部で人々の生活が自然から切り離され、本来的な余暇の楽しみを享受できなくなる、燃料や資源の持続可能性の問題も深刻であるとされている。
もちろん、お金があれば「経済的に豊かな暮らし」ができる。そして経済的に豊かな暮らしは、心豊かな暮らしと関係しないはずはない。たとえば住環境のインフラが失われると、私たちはなかなか「心豊か」ではいられないだろう。