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情報誌CEL

鈴木 真由子

2012年01月05日

倫理的消費の社会的意味と消費者市民教育

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2012年01月05日

鈴木 真由子

住まい・生活

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-はじめに―"リオの伝説のスピーチ"から-

 第31回日本消費者教育学会(2011年10月22日・23日 : 大阪)における基調講演のテーマは「『人権』の視点から―消費者教育への期待とESDへの展望―」であった。講演の冒頭で講師の森実氏は、1992年にブラジルで開かれた国連の地球環境サミットにおける"リオの伝説のスピーチ"(※1)を紹介した。映像の中で登壇したのは「子ども環境活動(Environmental Children s Organization略称ECO)」の代表、セヴァン・スズキである。
 スクリーンに映し出された12歳の少女は、世界各国の代表者に対して鋭い眼差しで訴える。
 「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」「私の国でのむだづかいはたいへんなものです。買っては捨て、また買っては捨てています。それでも物を浪費しつづける北の国々は、南の国々と富をわかちあおうとはしません。物がありあまっているのに、私たちは自分の富を、そのほんの少しでも手ばなすのがこわいんです」「おききしますが、私たち子どもの未来を真剣に考えたことがありますか」(※2)
 20年前の彼女のスピーチは、本稿のテーマである“倫理的消費の社会的意味”そのものであると言っても過言ではないだろう。彼女は既に、グローバル・シティズンシップの体現者として存在していたのである。
 今も彼女は環境保護に関する著名な活動家として活躍している。2010年には、ジャン=ポール・ジョー監督による映画『セヴァンの地球のなおし方』が公開された。母親になった彼女は「私たちが考えるべきことは、現実に起こっているさまざまな環境問題の先にどんな未来が待つのか、ということ。私たちの子どもの未来を守るために、生き方を変えなくては」と訴えかけている。彼女の生き方は、20年前と変わらず倫理的である。


-消費者市民社会の担い手-

 改めて、"消費者市民社会"を確認しておこう。平成20年度版『国民生活白書』(※3)によれば、消費者市民社会は「個人が消費者・生活者としての役割において、社会問題、多様性、世界状況、将来世代の状況などを考慮することによって、社会の発展と改善に積極的に参加する社会」と説明されている。また、消費者市民社会で期待される消費者・生活者像を、「自分自身の個人的ニーズと幸福を求めるとしても、消費や社会生活、政策形成過程などを通じて、地球、世界、国、地域、そして家族の幸せを実現すべく、社会の主役として活躍する人々」、「豊かな消費生活を送る『消費者』だけでなく、ゆとりのある生活を送る市民としての『生活者』の立場が重要」であり、それを有する人を消費者市民としている。


(※1)セヴァン・スズキ、DVDリオ・サミット「伝説のスピーチ」ナマケモノ倶楽部(1992年)
(※2)セヴァン・カリス=スズキ『あなたが世界を変える日 12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ』ナマケモノ倶楽部翻訳、学陽書房(2003年)
(※3)内閣府『国民生活白書 平成20年版 消費者市民社会への展望―ゆとりと成熟した社会構築に向けて―』時事画報社(2008年)