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情報誌CEL

田中 洋

2012年01月05日

マーケティングから見た倫理的消費の可能性

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2012年01月05日

田中 洋

住まい・生活

消費生活
ライフスタイル
その他

情報誌CEL (Vol.98)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-倫理的消費とは-

倫理的消費とは近年マーケティングの世界で注目を集めている考え方のひとつに「倫理的消費」というキーワードがある。倫理(ethics)というコトバから我々は何を連想するだろうか。中学生や高校生のときに習った「倫理(社会)」という科目とか、礼儀や道徳を強調するすこし固苦しい考え方を連想するかもしれない。倫理とは何かはさておき、とりあえずは、倫理的消費というコトバを、消費者の個人の利益だけではなく、他者や環境の公的な利益を考慮して行う消費行動、と定義しておこう。具体的にはどのような活動が倫理的消費とみなされているのだろうか。
 ひとつの事例が、スーパーの店頭でもみかけるようになった「フェアトレードコーヒー」である。フェアトレードコーヒーは、コーヒー豆産地の人々の生活を維持発展させるために、不当な経済的搾取をしない取引システムを採用している。つまり、これまでのコーヒー取引が原産地の人々の生活を顧みなかったのとは大きく異なり、現地の人々が経済的困窮に陥ったり、麻薬の栽培に走ったりする代わりにコーヒー栽培を奨励し、経済的に自立できることを助けようとする活動がフェアトレードなのである。それだけでなく、エコロジーを意識した栽培や生産を行い、また、できるだけ農薬を用いない有機栽培製品をも奨励する。価格は必ずしも安くはないが、このコーヒーを買うことによって地球の環境に貢献できることになる。
 スターバックスはこうしたフェアトレードを調達の面で推進している。コーヒー生産者たちは零細な生産者が多い。コーヒー豆価格は景気や生産地の状況によって上がり下がりが激しく、零細な生産者たちが安定的な収益を保つことが困難になっている。そこで、スターバックスでは、長期的に高品質なコーヒー生産を実現するために、持続可能な調達モデルを定めた。それがC.A.F.E.(Coffee And Farmer Equity)と呼ばれる購買のガイドラインである。この指針によって労働環境の改善や児童労働の規制が実行され、土壌侵食や汚染防止など生物多様性の保全に対する取り組みが行われる(※1)。

(※1)「倫理的な調達のために設定したガイドラインC.A.F.E.プラクティス」スターバックス
http://www.starbucks.co.jp/csr/ethicalsourcing/cafe_practice.html

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