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情報誌CEL

増田 昇

2011年09月30日

生物多様性保全と都市環境デザイン - 都市と里地・里山のエコロジカルネットワーク

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2011年09月30日

増田 昇

エネルギー・環境
都市・コミュニティ

地域環境
都市システム・構造

情報誌CEL (Vol.97)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-はじめに-

 20世紀における都市の進展では、都市化の抑制による自然環境の保全や都市における身近な自然との触れ合い空間の整備などが取り組まれてきたものの、人間や都市活動に中心が置かれたため、生物多様性の減少を招いており、深刻な地球環境問題のひとつともなっている。特に都市部で生活する人口が世界人口の半数を占め、2050年には世界人口の3分の2が都市に居住すると予測されている。「都市の世紀」ともいわれている21世紀は、都市のウエイトが相対的に小さい時代とは異なり、地球規模においても大きなウエイトを占めるようになることから、都市自体がエコロジカルな性質を持つような構造転換が求められる。
 我が国では人口の3分の2以上が都市に居住しており、既に都市が大きなウエイトを占めている中で、これからの都市づくりは経済成長のみの追求ではなく、生物多様性保全を通じた持続的発展を図り、都市生活の中で生きる喜びや暮らしの真の豊かさの追求が求められる。
 このような生物多様性保全を通じた都市づくりは、成長型社会の中で機能性や効率性が主に追求されてきたものから、自然を基盤として負荷の低減や持続性を追求したものへと方向転換することを示唆するものであり、本論では、市街地や都市近郊にモザイク状に分布する農空間、言い換えれば、里地・里山の存在価値を再考し、都市と里地・里山とのエコロジカルネットワークの構築など、持続可能な社会に求められる都市環境デザインのあり方を考えてみる。

-里地・里山の現状(生物多様性の危機)-

 生物多様性は「すべての生物間の変異性を指すものとされており、(1)遺伝子の多様性(生物の種内の多様性)(2)種の多様性(種間の多様性)(3)生態系の多様性、を含む」と生物多様性条約の中で定義されている。我が国では、本条約を契機に2008年に生物多様性基本法が制定され、これに基づいて2010年には生物多様性国家戦略が策定された。その中で、生物多様性の危機として、(1)開発や乱獲による生態系の破壊、生息地の減少による危機(2)里地・里山などにおける人間活動の縮小による危機(3)人間により持ち込まれた外来生物などによる生態系の撹乱の危機(4)地球温暖化による危機が示されている。