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栗本 智代

2004年03月31日

空堀界隈

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2004年03月31日

栗本 智代

都市・コミュニティ

地域活性化

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「大阪春秋2004年4月号」

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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石畳の坂道、石垣、本瓦葺き、長屋が対面する路地、そして商店街らしい商店街・・・。大阪には、こんな伝統的な住空間が残された地域がいくつかあり、空堀地域はその代表選手である。

現在「空堀」という名前をとどめる空堀商店街は、地下鉄の谷町六丁目駅や松屋町駅などを最寄りとし、上町筋から谷町筋を経て松屋町筋にいたる東西約八百メートルに連なるまさに都心の商店街であり、上町台地上から台地下へ向かう大きな坂道が独特の表情を楽しませてくれる。「空堀」の地名は、この東西の通りが豊臣秀吉の築造した大阪城の三の丸の外堀(「南総構堀(ルビ:みなみそうがまえぼり)」といった)であり、慶長十九(一六一四)年の大阪冬の陣後に徳川方に埋められてしまい空堀になったことに由来する。この界隈は、江戸中期以降町家・長屋が立ち並び、明治年間以降、空堀地蔵の定期市を契機に、自然発生的に商店街として発展してきた。大正末には、道路幅を四メートルから六メートルへ拡張するため「軒切り」が行われ、現在の商店街の原型がつくられている。

幸いにも昭和二十年の大阪大空襲から奇跡的に逃れ、都心部では数少ない商業集積地として人々が集まり、同時に戦前からの町並みや暮らしが受け継がれることになった。坂道やゆるやかな曲線を描く道など起伏に富んだ地形により、商店街周辺のあちこちで古くからの町家の屋根の連なりを見下ろすことができる。少し横道にそれると、くねくねと折れ曲がった細い路地が続き、またもとの道にもどってくる。まるで迷路のようだ。路地裏にはお地蔵さんがあちこちに祀られてあり掃除が行き届いている。これら、商店街を含め、坂道、南北にめぐる路地や石畳の階段、そこに貼りついている長屋などが織り成すぬくもりのあるまちの表情が、この地域の大きな特徴だと言える。

 

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