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弘本 由香里

2005年03月01日

地域の力で未来の宝を育てる

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2005年03月01日

弘本 由香里

都市・コミュニティ

まちづくり

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豊中市政研究所「TOYONAKAビジョン22」Vol.8

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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大人になる困難

子どもや親子関係をめぐる悲惨な事件が相次いでいる。なぜこれほどまでに、子どもの自立、大人になることの困難性が露見してきているだろう。考えてみれば、子育てに費やす時間と、その現場となる家庭や地域社会の存在こそ、人類特有の産物といっていいものである。直立二足歩行と引き換えに、極めて未熟な状態で子どもを出産することとなったために、長期に渡って親や社会が子どもを保育するシステムを構築せざるを得なかったためだといわれる。未熟な子どもを一人前に育て上げるために、愛情や家族や地域社会のシステムをはじめ、多種多様な社会規範や生活文化を発明してきたといっても過言ではないだろう。

子どもの成長を支える仕組みが、いかに丁寧に地域社会に組み込まれていたかは、各地に残る民俗儀礼や風習や昔話等にもうかがい知ることができる。あらん限りの想像力・創造力を駆使して、先人たちは子どもの成長と自立という人類最古で最大の課題に向き合ってきたのだろう。例えば、かつて日本各地に「若衆宿」という成人前の共同生活のシステムが分布していた。同様のシステムは、世界各地にも存在していたといわれる。青少年が起居を共にしながら、一人前の成人として地域社会に加わっていくための準備期を過ごす、通過儀礼の一種である。日本では、三重県鳥羽市の答志島に、若衆宿としての「寝屋子」と呼ばれるシステムが残っている。

「若衆宿」に限らず、世界各地にはそれこそさまざまな形で、子どもが成長し一人前の成人となって地域社会に加入するための、通過儀礼が存在してきた。そのプロセスを象徴化した昔話も数多く語り伝えられてきている。こうした昔話の構造は、通過儀礼の構造と同様で、まず、それまで子どもとして守られていた日常空間からいったん離脱した後に、いくつかの試練を乗り越えて、成長した大人となって地域社会に帰還するというストーリー展開を持っている。このような儀礼やストーリーを一定の地域社会の中で、世代を超えて共有継承していくなかで、子どもは心身ともに大人になる意味や態度を学んでいった。しかし、地域社会に根ざした通過儀礼や昔話が、名実ともに機能していたのは、前近代的な社会においてである。

 

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