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2012年07月05日 by 濱 惠介

【夏を乗り切る】熱帯の住まい・暮らし体験から

かつて私はインドネシアの首都ジャカルタで暮らしたことがあります。南緯6度に位置し、言わば赤道直下の熱帯地域。雨季と乾季があっても、日本人の感覚と言葉で季節は年中「夏」です。従って、家の作りや暮らし方は「いかに暑さをしのぐか」が基本になります。その時の体験から夏を乗り切るヒントを拾ってみましょう。

 
太陽は、大まかに言って、常に真東から登り真上を通って真西に沈みます。昼と夜はほぼ12時間ずつ。家は基本的に平屋建てで、東西面は隣戸と接するように敷地一杯に壁を建て(坪庭に面する場合を除き)窓は設けません。窓は南向きと北向きに限定し深い庇を設けることで日射が室内に入ることを完全に防いでいます。

 
屋根は下地となる「野地板」を張らず、瓦は水平方向に渡した桟木に引っかけるようにして葺きます。瓦の隙間を空気が自由に流れ、屋根裏の換気がすこぶる良いのです。

 
床は地面に直接作る「土間床」で、仕上げは国産の大理石張り。地中は気温の変化を受けにくく比較的低温なので、ひんやりした感じがします。わが家の犬は四脚を前後に投げ出し、腹部を床面にぴったり付けることで体温を下げているようでした。腹の毛が薄かったのは、接触による冷却効果を高めるための進化かもしれません。

 
冬の日本からの来客は「さすがに熱帯、暑いですな」などとおっしゃるのですが、こちらは体が暑さに慣れているので、感覚にずれが生じていたようです。リビング・ダイニングルームは広さが80?もあったので、小さなエアコンでは部屋全体を冷やす能力がなく、もっぱら天井扇が活躍していました。

 
わが家の庭には暑さをしのぐ恰好の場所がありました。それは長さが8mほどのプライベートプール。涼みながら運動になり、かつ年中使えるので、健康管理にはありがたい施設でした。特に寝苦しいような夜は就寝前にプールにつかり(泳ぐわけでもなく)体を冷やしてからベッドへ横になると、快適に眠ることができました。

 
日本の住まいは、夏冬両方の厳しさへの対応が必要なところに難しさがあります。また、快適な春秋の季節を体が覚えていて、暑さ寒さが一層辛く感じられるのでしょう。

 
真夏には熱帯での暮らしを想像し、冷房に甘えず体を暑さに慣らし、エアコン以外の方法で体を冷やすことを試みてはいかがでしょうか。自宅にプールは無理としても、水風呂で体を冷やすのはその一例です。

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