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情報誌CEL

藤原 佳典

2019年07月01日

世代間交流が導く、持続可能な互助コミュニティ

作成年月日

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媒体(Vol.)

備考

2019年07月01日

藤原 佳典

都市・コミュニティ
住まい・生活

コミュニティ・デザイン
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.122)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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高齢者の社会的孤立の問題や、自立支援をどうするかなど多くの場で議論はされるものの、なかなか実際の活動には結びつかない。
東京都健康長寿医療センター研究所の専門チームで研究部長をつとめ日本世代間交流学会副会長としても活動する藤原佳典氏は学術的な研究にとどまらず、多世代互助共助プロジェクトを立ち上げている。
実例を踏まえた幅広い見地で、世代間交流のあり方の真を説く。


はじめに

わが国は、諸外国に比類ないスピードで少子超高齢化が進行し、財政縮小が予想される。市町村が安定した施策を持続するためには歳出の約60%を占める社会保障費の増大を抑制する策を講じなければならない。
さらに人口減少社会も加速する今後の危機的状況を乗り越えるためには、多世代が共創する持続可能な循環型社会を構築する必要がある。それには、高齢者の健康寿命の延伸に加えて、子ども・子育て世代が住みやすいまちづくりを進めていくことが必須と言える。
具体的には、公助(行政サービス)が削減されるなかで、多様かつ複雑化した子ども・子育て世代の課題と激増する高齢世代の課題を、いかに効果的・効率的に解決するかが問われている。
たとえば、ひとつの家庭内で介護、育児、生活困窮といった問題を複合的に抱える「多問題家庭」の困難事例へのケアマネジメントは、各専門職の連携により対処されることは少なくない。しかし、その大半は個別ハイリスクアプローチであり、今後、こうしたハイリスク層を生まない・増やさないためのポピュレーションアプローチ(集団全体に広く働きかける方法)を講じている自治体は数少ない。多世代支援には、たとえば、高齢者のみによる介護予防や子育てママのみによる育児サークルといった同世代間の互助を推進するだけではなく、多世代に対応する地域資源や人材の育成、シェアが急務である。これらは、2015年度に開始された子ども・子育て支援新制度や、第6〜7期へと引き継がれた介護保険計画・新総合事業の成功の鍵を握ると言っても過言ではない。
しかしながら、縦割りの行政施策に加えて、自己世代の利益のみを優先しようとする住民の潜在的な世代間対立のために、これらのふたつの事業が連携することは容易ではない。