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情報誌CEL

丸川 知雄

2018年11月01日

中国経済にダイナミズムをもたらす起業

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2018年11月01日

丸川 知雄

都市・コミュニティ
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情報誌CEL (Vol.120)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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社会主義を標榜する中国において、国の経済発展をリードしているのは、ここ30年ほどの間に創業された民間企業である。この国では、大きな資本を持たない一般大衆であっても、仲間と資金を集めてビジネスを起こすことが比較的容易に、かつ盛んに行われている。いざとなれば移住をもいとわずに、資本家を目指して起業に挑戦しつづける人々の流れを俯瞰する。

1990年代初頭、中国を代表するエクセレント・カンパニーといえば、北京の鉄鋼メーカー、首鋼総公司だった。首鋼は国有企業でありながら会長の強いリーダーシップのもと果敢な多角化や海外投資を行っていた。だが、1995年に会長の息子が横領の疑いで逮捕され、会長が責任をとって退任するや、それまでの経営が結局乱脈投資の繰り返しにすぎなかったことが暴露された。今日、首鋼が中国の企業経営のモデルだったことを思い出す人もほとんどいない。その後、何社かの国有企業がもてはやされたが、好業績の時期が3年も続けばいいほうだった。

今、中国のエクセレント・カンパニーといえば電子商取引のアリババ、SNSのテンセント、通信機器メーカーのファーウェイが真っ先に挙がるだろう。首鋼と大きく違うのは、この3社は経営革新を続けながら長期間エクセレント・カンパニーであり続けていることである。いずれも民間企業であり、創業者が今でも指揮を執っている。中国で最大の企業といえば石油や電力など国家が独占する業種の国有企業であるが、経済発展をリードしているのはこうした過去30年の間に創業された民間企業である。起業こそが中国経済にダイナミズムをもたらしているといって過言ではない。


どのくらい起業が盛んなのか?

中国は共産党が支配する社会主義を標榜する国であり、政策的な補助金、銀行の融資、株式上場の機会も国有企業に優先的に配分される傾向が強い。また、金融業、鉄道、教育など、民間企業の参入が制限されている分野も少なくない。つまり、民間企業の発展に対して決して好適な環境とはいえないのだが、それでも起業が盛んである。

グローバル・アントレプレナーシップ・モニター(GEM)[*]という国際的な研究者のグループが毎年各国で「早期企業家」に関する調査を行っているが、その2011年の調査によれば中国では調査対象者のうち実に24パーセントが早期企業家だった。これは同年にこの調査が行われた54カ国のなかで最も高い。


* GEM(Global EntrepreneurshipMonitor)の調査は、各国で最低2000人の成人をランダムに抽出して調査することとなっている。調査は独立の調査会社に委託されている。中国の場合、2012年には3684人を調査したというが、2011年は調査対象者が何名だったかは明らかではない。

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