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情報誌CEL

小澤 紀美子

2011年03月25日

安全・安心で持続可能な社会の基盤としてのマルチステークホルダー・プロセス

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備考

2011年03月25日

小澤 紀美子

住まい・生活
都市・コミュニティ

その他

情報誌CEL (Vol.96)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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-はじめに-

 

 21世紀に入り、環境への関心が高まり、温暖化や異常気象の状況に不安をつのらせる人々が増えてきている。このままでは未来が「持続不可能」なのでは、という危惧の念が高まってきている。
 今日の地球環境問題は、グローバル化の波により、環境・経済・社会が相互に依存関係にあり、一企業内や産業界、地域内における対症療法だけでは解決できない側面をもつ。日本学術会議「日本の展望―学術からの展望」報告の「環境分野の展望」(※1)において、「世界各地には、『地球公共財』に準じる地域に即したコモンズ(共有地)が数多く存在していた。近代化、工業化の進展に伴い、これらのコモンズは、その多くが崩壊に見舞われた。(中略)20世紀が省みることのなかった『地球公共財』の持続的維持について規範を創り出し、これを道しるべとし、具体的行動に移していくことが重要である」と指摘するように、多様な主体やセクターが連携して、「未来の責任」と「未来のビジョン」を共有し、持続可能な社会づくりに向けて「未来へのシナリオ」を構築していかなければならない。
 日本人の近年の環境の状況についての認識は、環境省の平成22年度の調査によると、地球レベルでは72%の人が「悪化している」と実感している。さらに「環境問題への関心」は、地球温暖化(79%)など地球温暖化・異常気象への関心は高いが、その環境保全行動は、ごみ分別などのルール化されている保全行動や適切な温度調節、節電、節水などの日常的に個人でできることに特化している。一方、自然保護活動、地域環境基本計画策定等への参加や緑化活動、環境教育・学習や体験機会の利用などの地域活動や外部とかかわる行動、すなわち当事者性や問題解決に向けての実行率が低く、日本が進めてきた「教育」に大きな課題が残されていると考えたい。 一方、「持続可能な開発のための教育の10年」の中間年の国際会合でのボン大会(※2) で、現代の世界が直面している課題として、「貧困と不平等、紛争、世界経済金融、食糧危機及び世界の飢餓の問題、持続不可能な生産と消費のパターン、気候変動など」を挙げている。さらに「これらの相互に結びついた開発及びライフスタイル上の問題は、持続不可能な社会を作り出すような価値観に起因している」と指摘しているように、「人間と環境が共生する」方策を見出していくためには、「変革のために人々をエンパワーするような共通の献身」と「教育及び生涯にわたる学習を通じて、持続可能な社会を支えるような確たる価値観に基づいたライフスタイルの達成」(※2)をめざしていかなければならない。

(※1)日本学術会議「日本の展望―学術からの展望『環境分野の展望』」2010年4月
(※2)http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200907_702/070205.pdf