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情報誌CEL

京 雅也

2010年07月01日

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2010年07月01日

京 雅也

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情報誌CEL (Vol.93)

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 今回の特集は、つながりの原点としての“家族”を捉えようとするもので、できるだけ多彩な観点から、各執筆者の方々に家族の今と未来について論じていただいている。
 自分の子ども時代をふり返ると、私は家族という“安心装置”の中にいたように思われる。今ほどモノが溢れる時代ではなかったけれど、ささやかな喜びが家族とともにあった。同様に、親戚や近所の人たちなどとの付き合いもごく身近にあった。人と人との間が緊密で濃厚。そのため一方では、子どもながらにも多少息苦しさを感じていたように思う。
 緊密であって葛藤がない人間関係は少ないだろう。その意味で、家族は人によっては愛憎相半ばする存在である。多かれ少なかれ理不尽な面をもちながらも、多くの人にとって、家族は自分を無条件で受け入れてくれる場所でもあった。
 田渕久美子さんも、家族は“ふるさと”のようなものだと言う。そのつながりを通して、自分の今がある。だから、現在は離れて暮らしていても、その人の身になって考えることができる相手は、やはり自分にとっては家族であると。
 今の日本の社会では、家族の一体感は次第に薄れていき、個人化の度を増しているという。家族のための個人ではなく、それぞれの個人のために家族があるという捉え方。その意味では、現在の家族は期間限定で出入り自由になってきたとも言える。
 このような家族の変容を語るときに、その現実とは別にして、私自身の価値観では、どこかうまく捉えきれないところがあるのは否めない。船曳建夫氏は、家族の変容は人類史的な大きな流れの中にあるものだと語る。加えて、生まれ育つ中で自身に内在化されてきた価値観とともに、我々はその変化に対応していくしかないのだとも。
 これからの時代、家族の枠を越えたさまざまなつながりの中で、個人個人がそれぞれの役割を担っていく必要があるだろう。その際、ネットワークの構築能力の育成が個人にとって重要になってくるのはもちろんのことだが、同時に、個人を孤立化させないための施策が必要になってくることも忘れてはいけない。今後家族はどう変わっていくのか、それが社会や個人にどのような影響を与えることになるのかをじっくりと見極めていく必要がある。  

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