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2017年04月12日 by 池永 寛明

【交流篇】 散髪屋さんは何をするところ?

    

 

散髪屋さんは「髪を切る」ところ。長くなった髪を切るだけなら、自分や家族にハサミで切ってもらえばいい。それなのに、なぜわざわざ散髪屋に行くのだろうか?

私の知っている友人で毎週散髪に行く人がいるが、この人は髪の毛を切ることだけが目的ではない。髪を散髪屋さんで切ってもらうことで何が得られるかといえば、「爽快感、清潔感」である。と考えると、散髪屋さんは「爽快感、清潔感を売るところ」である。このように考えることを「システム的思考」という。

 

では、薬屋さんは何屋さんなのか?なにを売っているのかといえば、「薬を売るところ」である。これを「システム的思考」で捉えたら、「健康を売るところ」となる。薬屋さんが自分のお店を「健康を売るところ」と位置づけると、お客さまにご提案する商品や情報、サービスは、幅広く、より深いものとなり、お客さまの真のニーズに応えられ、お客さまにとって「オンリーワン」のものとなる。

 

1781年、英国でワットが蒸気機関を発明し、エネルギー革命をおこした。石炭を燃料とした蒸気機関というエネルギーシステムは紡績や機械の動力源となり、蒸気機関車、蒸気船をうみ出し社会を変えた。これを産業革命という。

その産業革命前の時代に英国の街を走っていたのが馬車だった。人を、荷物を運んでいたのが駅馬車だった。

産業革命前に主力輸送機関であった駅馬車会社は、いかに馬車にて多くのものを運べるのか、早く運べるかと考える経営をおこなっていた。彼らが駅馬車を走らせているとき、新たに生まれた機関車や自動車の動きに気づかず、徐々にお客さまを奪われ事業は衰退、時代の流れにとり残された。自らの事業を『輸送事業者』と定義していたら、時代は変わったかもしれない。

 

自分の会社はどんな会社なのか?という問いは、自らの会社が「駅馬車の仕事をしている」と思うのか、「人を荷物を運ぶ仕事をしている」と思うのかによって変わる。

そしてなによりも地域にとって人々にとって、「その会社がなくなったら困る」かどうかだ。その会社がなくなっても誰も困らないとなったら、地域・社会にとってその会社は意味がないのだ。

 

(エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明)

 

〔CELフェイスブック 4月12日掲載分〕