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2024年05月07日 by 小西 久美子

まちづくりとDX

こんにちは。エネルギー・文化研究所 小西久美子です。

私は人口減少時代の都市計画やまちづくりのあり方について研究しています。成長拡大を前提として作られた都市計画の変遷(歴史)を掘り下げることで、縮小均衡時代のこれからのまちづくりに活かしていくべきものは何かを考えています。

今回は、歴史的な振り返りではなく、建築・都市計画の分野でも急伸している「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と言う新しい流れによって、これからのまちづくりはどう変わっていくのか考えてみたいと思います。

 

1 建築・都市計画におけるDXとは?

 SNSやオンラインの普及により、私たちのコミュニケーション方法は大きく変わりました。日常生活や仕事においてもAI、IoTなどのデジタル技術が欠かせない存在となっています。デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れは、建築・都市計画の分野でも例外ではありません。

 個々の建築物情報の3次元デジタル化(建築BIM)、都市全体の空間情報の3次元デジタル化(PLATEAU)、それら3D都市モデルを再現したデジタルツインのオープンデータ化など、DXがハード整備や新たな都市サービスを提供するまちづくりに活用されることが考えられます。また、防災や震災後の復興への活用、交通政策への活用も期待されています。

 

(補足)

・建築BIM(Building Information Modelling)

コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、建物の属性情報(各部位の仕様・性能、居室等の名称・用途・仕上げ、コスト情報等)などを併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。

・デジタルツイン

フィジカル空間(現実空間)の状況を、サイバー空間(仮想空間)で双子(ツイン)のように再現するという概念

・PLATEAU(プラトー)

スマートシティをはじめとしたまちづくりのDXを進めるため、そのデジタル・インフラとなる3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進する国土交通省のプロジェクト。

そのネーミングは、フランス人哲学者のジル・ドゥルーズと精神分析家フェリックス・ガタリの著書「千のプラトー1Mille PLATEAUx」に由来。

2 まちづくりにおけるDXの目的は?

 改めて、まちづくりにおいてDXを活用する目的は何なのでしょうか?

直接的には、ワークフローの見直しによる生産性の向上が挙げられますが、国土交通省 都市局が2022年7月に発表した「まちづくりのデジタル・トランスフォーメーション実現ビジョン」では、まちづくりDXを通じて実現すべき目的を『豊かな生活、多様な暮らし方・働き方を支える「人間中心のまちづくり」』としています。DXでまちづくりの在り方を変えることで、新たな価値創出や社会課題の解決を図っていくと言うことです。


グラフ, ヒストグラム

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国土交通省HPより https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/toshi_daisei_fr_000050.html

 

3 まちづくりにおけるDXの可能性

 官主導で進められた高度成長期の都市計画から、民間の創意工夫を生かした都市計画・まちづくりへと変遷し、近年は対話による合意形成が主流となっている中、どの様にDXが進んでいくのでしょうか?DXが進展すると、まちづくりの在り方はどう変わるのでしょうか?

 まちづくりにおけるDXの可能性を探るため、都市環境デザインフォーラム関西『都市環境とDX:建築・都市計画、災害対応に向けて』を、5月12日(日)14時〜、関西大学梅田キャンパス KANDAI Me RISE ホールで開催します。(オンライン併用)

 能登半島地震での仮設住宅建設でDXが活用された事例や、VR、メタバースを活用した地方創生プロジェクト事例紹介、そして、多様性・異質性を考慮したデジタルツイン基盤構築と行動変容推定など、産学での最新のまちづくりDXの取組みが分かります。そして、長年、自治体の都市計画、景観計画、市街地開発事業等の調査・計画などの実務に携わってこられたベテランコンサルタントからは、DXへの期待と不安が語られます。

 都市環境デザインに関わる研究者や実務者が集まり、現在と将来の方向性を共有し、DXの進化に伴う変化や失ってはならない要素、人とデジタル技術の共存の可能性などを探求します。

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