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2023年01月19日 by 前田 章雄

エネルギーよもやま話21 【エネルギーの利用】はじめに、全体像を把握しよう!

 

 

「エネルギーよもやま話」では、エネルギーに関する情報をワンポイントでわかりやすくお伝えしたいと思います。

 

こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。

エネルギーの話をする際に、そのエネルギーがどこでどのような形で利用されているのかを知らずして議論することはできません。ここでは、エネルギーの利用について、まずは全体像をおさえてみましょう。

 

1.エネルギーの消費機器を中心に区分する

 

エネルギーの利用分野には、産業用・業務用・家庭用、そして運輸の4つがあります。また、一次エネルギーの利用用途としては、電力利用・熱利用・運輸利用の3つに区分されています。運輸を除けば、たったの3分野と2区分しかないにもかかわらず、具体的にイメージしにくいのも事実です。

 

そこで、これらの理解を助けるために、エネルギーの消費機器を中心にして利用分野と利用用途に記載してみたのが、次の表です(運輸は除いています)。

 

         エネルギーの消費機器  (筆者作成)

 

 

まず、一次エネルギーを利用して発電する設備があります。電気を販売する目的としている発電分野もあれば、自家消費をおもな目的とするオンサイト発電もあります。もちろん、オンサイト発電だって余剰電力を販売することもあります。

発電設備には、火力発電やガスエンジンなどの発電機を回転させる方式もあれば、燃料電池や太陽光パネルなどの電気化学的な発電方式もあります。

 

そうして生み出された電力は、動力や照明に利用されます。動力にはモーターやポンプ、そしてコンプレッサなどがあります。家庭用では冷蔵庫のコンプレッサや扇風機のモーターがこれに当たります。もちろん、ガスエンジンや水車など電気以外の力で直接動かす動力もありますが、一般的には電力で動くものがほとんどです。

 

空調機にもコンプレッサやポンプが入っているので、動力利用の一部です。

家庭用のヒートポンプ式空調機は電気で動くものがほとんどですが、業務用や産業用のように大型になれば、ガスヒートポンプ式やガス吸収式といったガス空調もでてきます。いずれも、冷房も暖房も両方可能です。

電力で動く大型の空調設備には、ターボ式やスクリュー式冷凍機があります。冷凍機という呼び名の通り、これらは冷やすことしかできません。産業分野では、製品の冷却のように一年中冷やす用途もありますので、それぞれの目的に応じて設備をつかい分けています。

 

 

2.熱利用には、どのような設備があるの?

 

最後に、熱利用です。

家庭用においては、給湯と暖房、そして厨房がおもな用途になります。ストーブやファンヒータ、あるいは火鉢のような暖房だけの設備は、ここでは熱利用としています。給湯や厨房には電気式の設備も多くありますが、加熱用途という意味で、ここでは熱利用に区分しています。

 

業務用における熱利用も、家庭用と同じく給湯と暖房、そして厨房がおもな用途です。ボイラでつくった蒸気や温水を建物内の配管に回して暖房に利用するケースもありますし、温水プールや温浴施設やホテルのシャワーなど、直接給湯として利用するケースもあります。また、飲食店や食堂などでつかわれる厨房です。

その他の用途として、たとえば斎場のように亡くなられた方の焼却といった特殊用途もあります。

 

産業用でも事務所でつかうための給湯や暖房、そして厨房用途もありますが、メインは工場の生産設備で利用される加熱用途になります。

 

  産業用バーナの例 出典)Daigasグループカタログ

 

産業用にはさまざまな業種があり、鉄鋼や金属加工からはじまり、化学薬品や食品製造、繊維、印刷、紙加工、そしてガラスやコンクリート製造など、多岐に渡っています。石油やガスなどの化石燃料を燃やして加熱する設備もあれば、電気ヒータやIHで加熱するものもあります。

また、ボイラで蒸気をつくって工場内に送り、蒸気がもつ熱を利用して加熱する設備もあります。加熱に蒸気を利用するのは、蒸気圧力を制御するだけで一定の温度で均一に加熱することができるなど、利点が多くあるからです。

 

このように産業用の熱利用用途は多岐に渡っているため、どうしてもイメージしにくくなっています。このコラムの別の機会で、ご紹介していきたいと思います。

 

 

このコラムでは、エネルギーに関するさまざまなトリビア情報を、シリーズでお伝えしたいと考えています。次回をお楽しみに。


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