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2022年06月02日 by 前田 章雄

エネルギーよもやま話(第5回)


森林資源を燃やしてみると…

木は石油の代わりになれるのか?

  

「エネルギーよもやま話」では、エネルギーに関する情報をワンポイントでわかりやすくお伝えしたいと思います。

 

こんにちは。エネルギー・文化研究所の前田章雄です。

日本には、森林資源が豊富にあります。ならば、この豊富な自然資源をエネルギーとして有効に活用していきたいですよね

 

でも、森林資源を燃やすことで、どれだけのエネルギーが生まれるのでしょうか?

詳しくみてみたいと思います。

 

 

1.日本には森林資源がどのくらいあるのでしょうか?

 

日本には、森林資源が豊富にあります。

じつに国土の約7割が、森林に覆われています。


 

 

ならば、この豊富な自然由来の資源をエネルギーとして有効に活用していこう。

この考えに間違いはありません。

 

ここで、一度立ち止まって、森林資源を燃焼利用する際の絶対量について、考えてみたいと思います。

 

日本の森林は、面積はほぼ横ばいで増減していませんが、幹部分の体積は年々増加しています。

面積が変わらないのに体積が増えた理由は、人工林にあります。

杉や檜が植栽されて伐採されることなく成長している場所が多くあるため、体積が増え続けています。

 

2017年の調査では、森林体積は49億立法?あり、そのうち人工林の体積は33億立法?でした。

 

2.森林資源を燃やすと、どれだけのエネルギーが得られるでしょうか?

 

ここからは、算数の計算をしてみたいと思います。

 

丸太は水分を含んでいますので、カラカラに乾燥させた絶乾比重を平均0.4とします。

すると、森林1立法?を乾燥させた重量は400 Dry-?になります。

 

つぎに、乾燥状態の木材ペレットの燃焼カロリーを20MJ/Dry-kgとすれば、森林1立法?あたりの燃焼カロリーは、

400?/立法?×208,000 MJ/立法?

となります(MJは熱量の単位で、メガジュール)。

 

石油の燃焼カロリーが約40MJ/?なので、

8,000÷40200?/立法?

で、森林木材1立法?あたり石油200?の燃焼カロリーに相当する計算になります(木材がもつ水分の蒸発に必要なカロリーは、考慮しておりません)。

 

日本にある人工林すべての6

33億×0.620億立法?

を燃料として活用し、20年サイクルで植林・伐採すると仮定しましょう。

すると、一年間に1億立法?の森林資源が利用できることになります。

 

 

これを燃やして石油に換算すると、200億?になります。

単純に年間の原油輸入量を2,000億?(現在は減少傾向)とすれば、原油輸入の1/10、すなわち約37日分の使用量に相当します。

 

原油は全一次エネルギーの約4割を占めているので(エネルギーよもやま話1参照)、

37日×0.415

となり、森林資源を燃やすエネルギーで日本のエネルギー消費の15日分に代替できる計算になります。

大雑把な計算ですが、倍半分を超える相違はないと思います。

 

3.森林資源の有効的な活用方法とは?(あるひとつの考え方)

 

日本中の人工林資源の6割を利用すれば、全エネルギーの15日分に相当する。

思ったよりは少ないイメージですね。

 

ですが、森林資源の燃焼利用は、エネルギーの多様性を確保するという意味において重要であることに変わりはなく、今後も積極的に進めていかなければならなりません。

 

一方で、化石燃料の代替として過度の期待をかけるべきではないでしょう。

 

木材は建築材料としての強度や断熱性に優れており、加工性もよく、インテリア性も高い資材でもあります。


 

車椅子でも入れるおしゃれなバリアフリー木造カフェ(中国の事例)出展:人民網日本語版

 

単純に燃やしてしまって熱量に転換するよりも、特性を活かしておもに建築資材として活用しながら、間伐材や製材時の破棄物をエネルギーとして活用する。

こうした手法が、森林資源のもつ能力を最大限に引き出す考え方なのでしょう。

 

建築資材としての活用にもっと注力して、木材そのものの魅力を高めていく。

つまり、森林を保有している地元の有価資源として徹底的に有効利用する発想です。

森林資源の活用とは、地方創生の役割を重視して進めると、より高い価値を生み出せるのでしょう。

 

すでに日本中にある人工林を流通させ、植林・伐採の持続可能なサイクルを構築させる。

国を挙げての取り組みによって、エネルギー問題だけでなく、地方創生の起爆剤にしていかなければなりませんね。

 

 

このコラムでは、エネルギーに関するさまざまなトリビア情報を、シリーズでお伝えしたいと考えています。次回をお楽しみに。

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