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2018年08月29日 by 池永 寛明

【起動篇】 えべっさん信仰

エビスビールのCMの音楽が構内で流れる東京の恵比寿駅には、釣り竿に鯛を抱えた恵比寿様の像がある。京阪神を中心に「えべっさん」と親しみ深く呼ばれ、商売繁盛の神として全国で信仰されている


もとは漁業の神だった恵比寿が持つ魚は鯛が多いが、地域によって鮫、鰹、鯨などと異なる。昆布や干鰯など海産物が取引されるようになり、「えべっさん」は上方で商売繁盛の神として再定義される


西宮神社の恵比寿を全国に広げたのが傀儡師(くぐつし)とよばれる集団。恵比寿信仰は当初、畿内中心だったが、江戸時代に徳川幕府の許可を得て、「恵比寿回し」という人形芝居で恵比寿様の有難さを伝えることで信仰を広げ、西宮神社の御神影札販売の手数料という継続的な収益モデルを創造した。この人形劇は浄瑠璃と合体して人形浄瑠璃・文楽につながる。


「えべっさん」にはもうひとつの物語がある。恵比寿のまたの名は蛭子。両足がなく生まれ、親に捨てられ、西宮の浜に流れついたが、摂津の国の人たちは神として温かく受け入れた


子供を捨てる神話は世界に多くあるが、障害があって捨てられた子供を神とする神話があるのは日本だけ。古代から弱者への温かい目線を「えべっさん」を愛する上方の人々に感じる。


エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明


産経新聞夕刊  122掲載分

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