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2017年03月31日 by 池永 寛明

【起動篇】 上方の生活文化を考えるシンポジウム

      

 

「天下の貨は浪華にあり、浪華な貨その七分は船中にあり─江戸時代に大坂は天下の台所と言われた。大坂は日本最大の商業都市であり、水路ネットワークを通じた物、人、情報を通じた価値と価値の交換力が大坂という都市の本質であった

 

その大坂は圧倒的な経済力を基盤に、独創的な町人文化、おもてなし文化が花開いた。上方文化とは何かを考えるため、3日間の上方文化体験会に続き、上方の生活文化を考えるシンポジウムがアメリカ総領事、オランダ王国総領事などのご出席いただき、大阪くらしの今昔館で開かれた。

 

200年前の江戸時代の大阪船場を再現した町での商家でのおもてなしを体験したあと、100年前の住宅(主屋と長屋)と露地のある大阪の原風景を残す吉田家住宅での座敷、違い棚、掛け軸、屏風などのしつらえのなかで、お茶、書道、上方舞という大阪の生活文化を体験いただいた。上方文化が息づく建物だけでなく大阪の暮らし、生活文化が残されている雰囲気・空気につつまれた。

 

体験会に参加いただいた60名の外国の方との感想会を通じて導かれたキーワードは、住まい分野でWell−organized(作り込まれたしつらえ)Smartというコンセプトが導かれ、生活者と言う視点から、Manners(礼儀作法)とRules(規律)というコンセプトが導かれた。それが大坂文化の本質として導かれた。

 

上方文化の体現者によるパフォーマンスに続き、討議が行われた

 

• 異文化を学ぶプロセスは、①見学 ②体験 ③交流 という段階を踏む。今回は見学から体験プログラムを行なった。さらに異文化を理解しあうためには、交流というプロセスに進んでいくべきだ

 

• 400年前の日本を訪ねた外国の人が「日本の住宅は木と土と紙で作られている」と言ったという。たしかに、柱、天井は木、壁は土、襖・障子は紙だ。言われてみれば、そのとおり。外からの眼で本質が見えることがある

 

• 「上方舞、初めて見させていただいた。こんなに美しく、深い意味が込められている生活文化が大阪に残っていることが嬉しい」

 

• 江戸時代の道修町の会所における接待料理を江戸時代の料理人と現代の天才料理人が対話して、あざやかで、華やかな、新たな料理が生み出された。鯛に優しく包丁を入れられる姿に感動した

 

• の活性化に取り組んでおられる方々からは、「町には歴史がある。江戸時代の商業都市と、大正・昭和の大大阪時代と、現在を繋げて、時間軸で考えるべきだということを学んだ

 

• 「私の国と似ていることを発見して嬉しかったことと、異なることを発見して学んだ」

 

似ていること、異なることを学ぶこと ─ これがまさに文化そのもの。外国の方から学び、自らをいかに変えるかだ。

 

(エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明

 

〔CELフェイスブック 25810掲載分

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