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2017年03月19日 by 池永 寛明

【耕育篇】 鳥や昆虫の眼に、NEXT21はどう見えているのか?

 

      

 

窓から大きな鳥が飛びこんできた。22年前に住んでいたNEXT21の「ガーデンハウス」をコンセプトとした私が住んでいた住戸のなかには植栽に木が植わっており(植物園に住んでいたようなイメージ)、公園と勘違いしたのか鳥が迷いこんできた。私たち家族も驚いたが、鳥も驚いてすぐ外に飛んでいった。

 

NEXT21では「建物を緑化して生物と共生する」をテーマに緑地研究会をおこなっている。1000平方メートルの植栽を地上から屋上まで縦方向に、ひとつの町として積み重ね、居住者に安らぎと鳥や虫の休息の場となる自然環境を目指してきた。

 

 春は南の海から、秋は北の海から、鳥は飛んでいく。大阪市内に入り淀川を渡り、鳥の眼下に大阪城公園の緑が一気に広がり休む。その鳥の種類は年平均100種類。大阪城で休んだあと、繁殖先を求めて、次の休息ポイントである天王寺公園や長居公園に飛んでいくなか、NEXT21をおおう緑に目が入り「途中下車」した鳥は19種類。

 

またNEXT21には昆虫が、なんと70種類、魚が3種類が生きている。この調査結果を聴くと、鳥・昆虫と緑・自然とのつながりを感じる。特徴的にオオシオカラトンボが多く見うけられているというが、私NEXT21に住んでいた22年前に、よくトンボが飛んでいたのを見た思い出と符合した。

 

では、NEXT21の緑は、どうなつているのだろうか?植物はもともとNEXT21が竣工した時に植えた植物の数から増えた「侵入種」はなんと105種類。一年草と多年草が多く、また人間が持ち込んだ植物以外に多いのは風で飛んできた植物といい、19種類にのぼるようだ。

 

少し気になるのは外来種が3割と増えている。生物多様性が重要であるが、外来種によっては他の在来種や昆虫に影響を与えることがあるというので、バランスが大切で、都市の自然は人によるコントロール、マネジメントが必要だろう。

 

今年度は堺市産のカブトムシをNEXTでの養殖実験にチャレンジ。大阪府大の平井先生に、カブトムシの育て方教室を開催いただき、4住戸のお子様家族に現在育ててもらっている。卵を生み、幼虫が誕生し、土を食べてぐんぐんと大きくなっている。これから幼虫は123月に越冬し、7月に成虫となるが、どれだけNEXT21にカブトムシを育てることができるのだろうか?ちなみに成虫したオスは1ヶ月、メスは2ヶ月の生命。

 

 都市で植物・昆虫・野鳥とともに暮らす。人と自然との関係、NEXT21という「まち」と自然との関係を考えつづけているが、22年経ったNEXT21は、木々、植物、鳥や昆虫たちから、どう見えているのだろうか?

 

 22年前に幼い子どもとともに、圧倒的な緑のNEXT21散歩するたびに、清々しく癒されていた。NEXT21の屋上に立ち、生駒山、六甲山を近くにつつまれる都市のなかでの緑の大切さを再認識した。都市には、緑がいる。

 

(エネルギー・文化研究所 所長 池永寛明、主席研究員 加茂みどり

 

〔CELフェイスブック 913掲載分

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