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2013年10月11日 by 当麻 潔

哀れうり坊

私が大学生たちと農作業をしている農地では、昨年、一生懸命育ててきた「さつまいも」が、「うり坊(イノシシの子ども)」に全て食べられてしまいました。大学生たちのショックは非常に大きなものでした。今年は、畑の周りを格子の鉄柵で囲い、さらに、ネットを張り付け万全の態勢で臨みました。

 

例年通り、今年もまたうり坊が現れました。今年のうり坊は人懐っこい性格のようで、写真を取ろうとカメラを向けると、動きを止めてカメラ目線でじっとこちらを見ています。畑の作物を食べたいようで柵の中を見るものの、ネットのため入れず、周りの草を食べていました。近所の人の話では、日に日に痩せてきたとか。草だけでは栄養が取れないでしょう。エサが欲しいのか、その人に近づき、奈良公園の鹿のように頭を下げていました。その愛くるしい顔を見ていると、家に持ち帰ってペットとして飼いたい気持ちになります。

 

ところが、先月、ネットの隙間からとうとう畑に侵入され、さつまいもを掘り起こされ食べられてしまいました。翌日、また現れたため、これ以上畑を荒らされたらいけないと大学生たちが捕獲作戦にでました。逃げ回るうり坊をみんなで追いかけ、捕獲しました。ただ、その時の打撃が原因で3日後に亡くなってしまいました。後日、今まで現れなかった親イノシシが、子どもが亡くなったのを感じとったのか、山から下りてきて、悲しい声で鳴いていたそうです。

 

イノシシ親子にとっては悲しい出来事ですが、この原因は私たち人間にもあります。昔は、森林と田畑・人里の間には里山があり、人が里山に入って、燃料として使う薪を取っていました。また、木を切り木材を生産していました。ところが、電気やガスが普及し、薪の需要が激減し、木材についても安くて品質の良い輸入材が入ってきて、里山に人が入らなくなり放置されてきました。人という天敵がいなくなり、奥山からイノシシ、猿、鹿等の野生生物が田畑や人里に下りてきて、生息域が拡大するとともに被害が増大してきたのです。すなわち、私たち人間と里山との関わりが無くなったことが、野生生物の行動を変化させてしまったのです。

 

里山の放置は、野生生物に影響を与えるだけでなく、里山にいる昆虫類や植物等の生育にも大きな影響を与えます。従って、間伐など適切な里山の保全を行う必要があります。里山の保全等生物多様性をしっかり守って、人、動物、植物等が共存できる世の中にしたいものです。

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