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2010年09月16日 by 弘本 由香里

ふだんの“避難所”体験のススメ

  自分の暮らしている地域のなかで、指定されている避難所はどこか知っていますか?

   ふだん遠い存在のように感じていても、いつ身近に起こるかもしれないのが災害です。そして、もしものときに、私たちが身を寄せ、安全を確保するための場所が避難所です。避難所には、安全確保のために一時的に集まる、一時避難所や広域避難場所と、避難生活をおくる場となる収容避難所があります。

   私たちのいのちと暮らしを支える拠点となる収容避難所は、地域の特性に応じて小学校や中学校や高校や公民館といった公共施設が指定されていることが多いです。いずれも普通に暮らしているまちの中にある施設ではあるのですけれど、どの施設が避難所に指定されているか、意外と知られていないのではないでしょうか。一人暮らしや子どものいない世帯などは、日常生活のなかで、地域の学校をたずねる機会も少ないことでしょう。ましてや、もしものときの避難所がどんな状態になるのか、そこに集まった人たちが避難所をどんなふうに運営していったらよいのか、まず想像したこともないでしょう。

   そんななか、私の暮らす地域では、地元のまちづくり団体と町会と区役所が協働して、平常時の避難所見学会が行われました。平日の夜、集まった住民たちの顔ぶれはさまざま、ご近所で収容避難所に指定されている、市立高校をたずねました。すぐそばで暮らしていても、参加者の大半がこの校舎に足を踏み入れるのは初めてのことでした。都心に建つ校舎です。高層化された建物の中に、プールや体育館や武道場といった大きな空間と、数々の教室があります。エレベーターが止まったらどうする、受付や事務局はどこにする、体の弱い方々はどの部屋に、限られた備蓄物資の分配はどうするの…。具体的な問題が次々に浮かび、参加者の口をついて出てきます。

   近年、平常時の避難所体験からの減災まちづくりの取り組みが、少しずつ広がり始めています。住商工一体のまちでの、避難前の安否確認と避難所の割り振りまで織り込んだ避難所開設訓練、町工場とも連携した救助用の機材の確保。小学校(避難所)と地域の活発な交流を基盤に、避難所開設訓練を計画するまち。お寺を仮想の避難所に仕立てた、寺町ならではの防災・減災の体験イベントもあれば、もしもの時に神社の境内をどんなふうに活用できるか、思いをめぐらせている神社もあります。災害時こそ、ふだんの地域力が問われます。

 ふだんの“避難所”体験、あなたのまちでも、ぜひ一度お試しされてはどうでしょう。ぐっと身近にリアルに災害を感じ、地域の暮らしやまちづくりについて考えることができます。

※写真は「防災てらまちウォーク」での避難所生活の模擬体験(主催:三帰会、2008年11月 源聖寺にて)

 

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