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情報誌CEL

永松 信一
小倉 美惠子

2018年03月01日

【対談】人と人、人と風土をつなぐ食文化

作成年月日

執筆者名

研究領域

カテゴリー

媒体(Vol.)

備考

2018年03月01日

永松 信一
小倉 美惠子

住まい・生活
都市・コミュニティ

食生活
地域活性化
ライフスタイル

情報誌CEL (Vol.118)

ページ内にあります文章は抜粋版です。
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食文化は、自然が生み出す食材、伝統と歴史に培われた技法、それらを提供する料理人のみではなく、暮らしのなかで営まれてきた慣習や信仰という、その土地ならではの風土のなかで育まれてきた。
地の食材を使い土地に根ざしたレストランを営むイタリアンシェフ永松信一氏と、土地と人が紡いできた風土をテーマに映画を制作する小倉美惠子氏に、琵琶湖に面した永松氏のレストランRistorante L'oasi高島でお話しいただいた。

土地のもつ力を生かして

小倉:こうして薪ストーブに当たりながら古民家(旧朽木村から移築)の大きな梁を見上げていると、私が中学生のときまで暮らしていた川崎市宮前区土橋の茅葺き屋根の家を思い出します。二度と戻れないと思っていた家に帰ってきたような懐かしさを感じます。

永松:薪の暖かさって違いますよね。ここは山も近いですから、薪は割と簡単に手に入ります。「近江米」で知られる米どころですが、若狭湾にも近く海の恵みもある。きれいな湖もあって、これほど恵まれた場所はないと思います。

小倉:お料理にもたくさん地のものが使われていましたが、どれもが素晴らしく、調和していると感じました。この土地のことを、よくご存じなのですね。

永松:試行錯誤の日々です。新しい何かがないか、といつも探し続けるだけの魅力がこの土地にあるのだと思います。


何もないところからつくるオリジナリティ

小倉:永松さんはイタリア各地で料理の修業をされ、フィレンツェでシェフも務められた後、1994年に奈良県東吉野村でレストランを開きました。先輩方の料理をコピーすることはできるようになったが、それでは飽き足らない。そういう思いで吉野に入られたのでしょうか?

永松:今は世界中の珍しい食材を手に入れるのも楽になり、地方にもよい店が増えていますよね。インターネットや流通網の整備によるところが大きいと思います。しかし私が吉野で店をつくったとき、そういうものは一切なかった。ズッキーニもイタリアンパセリも、地方のスーパーマーケットにはなかった時代。自分で育ててつくるしか、選択肢がなかったんです。

小倉:畑を耕すところから、レストランをつくりあげていったのですね。吉野という土地がオリジナリティを生み出してくれたというか、そうせざるをえなかったわけですね。

永松:今でも鮮明に覚えている瞬間があります。トマトとナスのスパゲッティをつくるのに、パスタをゆではじめてからナスがないことに気づき、慌てて畑へとりに行ったことがあるんです。
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