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情報誌CEL

大西 拓一郎

2017年10月31日

ことばと交 方言分布が見せる「坂」「崖」「峰」

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2017年10月31日

大西 拓一郎

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情報誌CEL (Vol.117)

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ことばは、人々が「交(まじ)わる」ための必要不可欠な道具であり、新たな交流が生まれる場所では、ことばそのものも変化していく。
ことばから「ルネッセ」を導くシリーズ第2弾では、方言地理学の見地から、「坂」「崖」「峰」で表されることばの伝播の経緯とコミュニケーション言語のあり方をひもとき、ことばと人のつながりを考える。

■二都物語

「方言周圏論」というのをどこかで耳にしたことはないだろうか。都のことばが周辺に広がっていくことにより方言ができあがるという理論である。都からの新しいことばの放射は、何度も繰り返される。そのために方言の分布は同心円を描く、とされる。
都からの重層的な新語の放射と伝播は、都との言語の類似性を定量的に捉える場合、都からの距離との間の相関を示唆する。すなわち、都に近いほど類似性は高まり、遠いほど類似性は下がると想像される。
このことを具体的に検証してみよう。幸い、日本では『日本言語地図』『方言文法全国地図』『新日本言語地図』という全国レベルの方言地図集が刊行され、データも公開されている。地図上のそれぞれの地点の語形全体の中で都と同じ語形が占める割合(%)を一致度とし、類似性の指標としよう。たとえば、『日本言語地図』においてA県B市の語形が合計100あったとして、そのうち35が都と同じ語形であるなら、A県B市の都との一致度は35(%)となる。地図上の全ての地点について、一致度を求め、距離との関係を捉えてみようというわけだ。なお、距離の扱い方は、直線距離や道路距離、鉄道距離などいろいろ考えられるが、ここではもっとも単純な直線距離(正確には大圏距離)で扱う。
『日本言語地図』のデータに基づき古いにしえの都、京都との一致度と京都からの距離の関係をグラフにしたのが図1である。北海道を除くと、都からの距離に応じて、一致度は下がっていくことがわかる。
京都は、平安遷都以降、約1000年にわたって都であり続けた。そのことにより、京都を中心とした畿内のことば、今でいえば関西弁が、かつては標準語の地位を占めていた。近世に入り、江戸時代中期以降は、実質的な中央が江戸に移行する。さらに明治に入ってからは、江戸から名前を変えた東京に都が遷り、標準語も東京のことばを基盤とするものに代わった。それでは、新しい都、東京を元にすると、一致度と距離の関係はどのように現れるだろうか。
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