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情報誌CEL

杉山 享司

2016年11月01日

「暮らしの美」への眼差し

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2016年11月01日

杉山 享司

住まい・生活

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情報誌CEL (Vol.114)

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柳宗悦とバーナード・リーチを巡って

暮らしの中で用いられてきた手仕事の日用品に「美」を見出し、物質的な豊かさだけではない生活を提唱し、現代の生活文化に大きな影響を与え続けている民藝運動。それは、柳宗悦とバーナード・リーチを中心に、志を同じくする人々との交流から生み出された。柳とリーチの足跡をたどりながら、内外の視点や東西の価値観の交流が新しい文化を生み出す過程を考察する。

西洋文化との出会い ―― 『白樺』同人として

日本を代表する思想家の一人で、民藝運動の創始者として知られる柳宗悦(1889〜1961)は、海軍少将であった父・楢悦と、母・勝子の三男として、現在の東京都港区六本木に生まれた。幼くして父を亡くした柳は、母方の叔父にあたる嘉納治五郎の庇護のもとに育った。嘉納は教育者で、講道館柔道の創始者でもある。
柳は学習院高等学科在学中に文学雑誌『白樺』の創刊に参加する。同誌は武者小路実篤、志賀直哉らが中心となり、1910年に創刊号が出され、1923年までに計160号が発行された。『白樺』の人々は、キリスト教やトルストイの文学などに強い影響を受けながら、「自己に忠実に生き」「個性を伸ばすこと」を主張した。
柳は最年少の同人でありながら、得意の英語力を生かして欧米の書物を渉猟し、宗教哲学の研究や西洋美術の紹介に努める一方で、『白樺』主催の洋画展覧会などにも手腕を発揮した。なお、英国人バーナード・リーチ(1887〜1979)とも、この頃から交友が始まった。
誌上では同人たちが創作した文芸作品のみならず、西洋の美術作品も積極的に紹介され、近代精神を模索する若い文学者や画家、教師たちを強く惹きつけていった。
『白樺』が西洋文化の紹介に大きな影響を果たしていたことは、意外に知られていないが、クールベ、マネ、ルノアール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、マティスらをいち早く日本に紹介したのは『白樺』であった。
また、近代彫刻の父として知られるオーギュスト・ロダンとの交流も忘れてはならないだろう。ロダンの作品に命の輝きと魂の叫びを感得した彼らは、その日本での展観を願い、ついにはその熱意がロダンの心を動かして3点の彫刻作品を日本に送らしめたのである。
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